2017年12月アーカイブ

スター・ウォーズ 最後のジェダイ(EP8)
前回は仕事が重なって初日鑑賞が叶わなかったが、今回は無理してでも「早く」観たかったのでいつものバルト9で。

!cid_16063750cec794577e41.jpg

それだけ期待が大きかったのは、3部作の真ん中で既に紹介を終えたキャラクター達を使ったぐっとくるドラマが自由に描ける、物語のもっとも面白い「転」に当たる部分なわけで、ライアン・ジョンソンについても「ブラザーズ・ブルーム」「ルーパー」と観て、まぁドラマ部もちゃんと撮れる監督だから安心して任せきるつもりでいた。実際上映開始5分前の喫煙所で次のチケットを取ってたくらいw 今回の作品に期待していた。

そして、深夜2時近くスタート4時半終了にもかかわらず結構な人の中、いよいよこの目ですべてを確認!

眠くもならず、冬寒いと極端にトイレ近くなるにもかかわらず、最後まで見切った2時間33分、いや、エンドクレジットは途中退出したから29分くらいか?

頭の中が混沌として整理がつかない状況で会社に戻ることとなった。

観た直後の感想は、総じての印象は悪くないし、むしろ「よく頑張ったね」と声をかけてやりたい気持ちではあった。俺が辟易してた小動物の件も「あれは食肉」という形でまとめられてたしw 主軸のドラマはブレずに描かれてたと思う。

ただいくつかの点が俺の後頭部をひっぱたかれたかのごとく混乱させて思考を停止させよる(苦笑)。

まずSW史上最長の上映時間。これはウチらダイハードなファンにはあっというかも知れないが、普通の人には長すぎると。実際、ある瞬間で音がまったく途切れる瞬間があったかと思うんだが、その間安らかないびきがシアター内に響き渡り、笑いこらえるのに必死だったw そもそも夜中だから不快感はないし、それも無理のないことだよなと思った。いや、ファンだってこんだけの時間中常に注意力を散漫さすことなく神経をとがらせながら観てろ、というのは酷である。今回は途中ケータイで時間とか確認せずに見続けたが、そろそろ終わるだろうと思ったら、そーいや予告編で出てきた塩の惑星が出てないやんと気づき、まだまだ終わらないと思ったら、多少げんなりしてきたw

基本的にEP1,7はEP4、EP2はEP5の物語展開や構成を模すのが暗黙のルールとなってる(EP3がEP6に似てるかは置いとく)。EP8もEP5に倣い、ジェダイ側の話と反乱軍側の話が同時進行で交互に視点移動していくパターンは踏襲してる。
ただ、ジェダイ側のストーリーの分量が多すぎて、それに合わすため反乱軍側の話の持ってゆき方が冗長で無駄なトピックを詰めすぎた感がある。レイアが吹っ飛ぶシーンとか、カジノの惑星なんて本当に必要だったんだろうか、と。

観終わった後、なぜこの不均衡が起きたかを12時間くらいかけて考えて出た結論は、ジェダイ側のストーリーがEP5とかを超えてEP6の途中くらいまでの話になっちゃってるからである。多分観てる誰もが、最高指導者といわれるスノークがああもあっさり死んでまうとは想像もしてなかったでしょう。あれじゃジャバ・ザ・ハットくらいの玉だったくらいにしか思えんし、最終的にルークが
「私は、最後のジェダイ、ではありません!」とかガキ使の利き●●コーナーみたいな一言漏らして昇天するところはヨーダのそれに倣っていると考えれば、中盤話を大幅に超えて〆に入ってるわけで長くなるのは当然なんである。

フィンとファズマの確執にも決着をつけ、レイの正体を金のために両親に売られた過去を持つ普通のファザコン女と決めつけ、そう、なぜかライアン監督は、EP7でJJとローレンス・カスダンが新3部作が盛り上がるように一生懸命練りだした新たな物語の枝葉ひとつひとつに決着をつけて終わらしているんである。あんたに任されたのは「結」の部分じゃない。

EP5以降のSWが終始「贅沢な自主映画」と揶揄されていたのを、E7をEP4にあったほどよいスピード感あるエンタメ作品に戻したJJに倣わず、またなんか「思いのたけぶっこんだらこんなんなっちゃいました♪」的な感覚でまた逆戻りの自主映画もどきにしてしまった功罪は、その手腕が優れてたとしても許すべきではないと思う。

そして、謎のラストシーン。途中に出てきた少年(名前はパンフにある)が反乱軍を夢見るという、え、何?なんでこんな本作でも重要でない人物のシーンでメルヘンチックなイメージ醸し出して終わらすの?てか、こんなこと、ねずみーに「将来この子が大きくなった姿を描けばもう一儲けできまっせ♪」と手もみしながらささやく悪徳商人のやることやんけ。そこまで媚びるか?と失笑だった。

で、ググってみたら、既にライアンはEP10からの3部作にプロデューサとして参加が決まってると知って、つまり明らかにそれを意図した伏線というわけだ。ライアンの頭の中には、自分が関わらないEP9のことなんかこれっぽっちもなく、ねずみーというかルーカス・フィルムとの今後のビジネスしか考えとらん。もしくはEP7で好き勝手に作った設定を次に丸投げされたことへのJJに対する陰湿な復讐劇なのか?

裏切られた感が半端ない。てか、俺は彼がUSC出身ということもあって、ルーカスをオビワン、ヨーダを(EP5を監督した)アーヴィン・カーシュナー教授だと見立てて、アーヴィンに匹敵または超えるような一作を魅せてくれるものだとばかり期待してたが、これじゃ私利私欲で動いたアナキンじゃん(苦笑)彼にはホント自滅してほしいわ。てか、ここまで統率が取れてない状態の作品を量産する無計画さをコントロールできてないルーカス・フィルムもキャサリン辞めさせてジョージ戻せって。

EP7を見終わった時、さぁ次は?ルークはレイに修行をつけるもカイロとの一騎打ちで果てる。そして驕るカイロは爺さんのマスクを修復しヴェイダーを名乗る。ファーストオーダーと反乱軍の行方は?最終章へのお楽しみ!等とその先を予想してワクワクしたもんだが、今EP9がどんな話になるか予想もできないし、もっと困り果ててるのはJJなんじゃないかと思う。キャリーが亡き後を継ぐというだけでも大きな課題なのに。

でもJJはそんな窮地に屈しないヴァイタリティで、エンタメとして一級品にEP9仕上げてフィナーレを飾ってくれることを信じている。EP9が思い浮かばないとは言ったが、ひとつだけ、俺はサガの最後には「王家の間とエンドタイトル」が流れるのがふさわしいラストショットであってほしい、それを観て号泣する自分を夢見てる(爆)
JJ、あなたが俺の最後の希望なんである。

2年後に今回とは違う、よい興奮で冷めやまぬレヴューが書ければよいと思ってる。そして俺はSWをEP9で卒業する。

ネタばれも心配しながらTwitterの140字だけでは俺のEP8への思いを伝えるのが足りないので、やっぱWSとSWに関しては最低でもブログでしょう♪と書き終え、よく見たらEP2,3はあってもEP7について書いてなかったことに今更気づく(汗

てことで簡単に捕捉。以前に書いた体で(え、じゃあ最後の〆が虚しいw

CWsHB4WU4AAUvto.jpg

JJが監督するということで作品の出来に関しては全く心配してなかった。予想を上回るよく出来たエンタテイメント作品となっていて、見終わってつけた点数が300万点w

「JJマジック」という言葉を知ってるかい?いや、俺が今作った言葉なんだがw

この人には観客をキャラクターに感情移入させるのに、たった一言のセリフか動作しか必要としない。

SWの新章に関してはキャラクターの名前は判明していたものの、どんな人物なのか事前にまったく知られないよう情報規制が敷かれ、謎のベールに包まれてた。例えて言うなら入学式や入社式で、まだ周りの人がどんなだかわからず、ワクワク感より不安のほうが大きい、誰もがそんな気持ちで作品ができるのを待っていたに違いない。

物語内の登場人物も初めて絡み合う者同士だから同じことが言えるわけだが、そこでJJマジック。フィンとポー・ダメロン。状況的には敵同士で殺し合いしかねない同士が、フィンの「正しいことがしたいんだ」というたった一言で全面的に協力し合い、ジャクーで分かれた後も互いを心配しあう仲になる。レイとBB-8。ハンターに絡まれてるのを助けたものの、面倒には巻き込まれたくないレイ。でも結局放っておけずに、顎をクイっと動かして付いてこい合図。そしてレイとフィンがめぐり逢い、共通の追っ手をまいた後に互いにアンタ凄いと褒めあって生まれる友情。観客もその姿を観てスッと自然に自分に近しい存在にしてしまう。人見知りで時間をかけてでしかできない俺にとってはうらやましいかぎりのコミュ能力であるw スター・トレックのリブートで、自分の中に血肉として染みついてる完成された有名キャラを全く知らん俳優が焼き直すってことに懐疑的だったオールド・ファンな俺に受け入れさせたことで先に体験済みだったから、今回もその演出テクニックに恐れ入った。

あとはキャラクター達と監督を信じて任せきって、物語が進むのを楽しめばいい。それがEP7の楽しみ方だと思ってる。細かい設定の粗なんか気にしなくなるはずw

新しい兵器スター・キラーとか、EP4に酷似してるのは否めないが、EP1がそうだったように、基本的にEP4の物語進行・構成を模するというのが三部作の1本目の暗黙のルールだから全然OK。

ジェダイではないレイやフィンがライトセイバー振りかざすのに抵抗があるかといえば、俺自身は今回のフォースという力が、カイロ・レンのようにジェダイの血を継ぐミディなんとかが多い人たちだけに伝わる特殊な能力ではなく、万物を取り巻くエネルギーとしての存在に特定の人物が何かの拍子で反応して湧き出すパワーみたいなものだと捉えた。例えるなら某国産ロボットアニメに出てくるニューなんたらという力みたいなw

「フォースの覚醒」というのは長い年月を経て誰にでも起こり得ることになってるのが、この三部作で語ろうとしている新解釈なんじゃないかと思う。

旧作と新作の登場人物を交錯させ、ハンの死は最初は受け入れ難かったが、世代を交代させることを臆せず次の物語を編もうと奮闘したJJの頑張りは賞賛に値すると思う。

そして物語は多くの謎を残しつつ、年老いたルークをたった1カットしか登場させずに、SW史上初の「つづく」状態で終わらせた衝撃。TV出身のJJがシーズン・フィナーレの手法をまさか持ってくるとは、てか吹替で旧作と同じ島田敏さんがキャスティングされてたけど一言もしゃべらずにギャラは?(知らんわw)アレって大体、後先のことは考えずに次のシーズンへ丸投げしちゃうらしいので、次の監督は大変だなぁと思う。

投げられた賽の目は最大の6だったと思う。好調な船出。2年後の次作に対する期待に早くも胸ときめかずにいられない。



ここが静かな時は
ここで暴れてるか
鑑賞中です♪

月別 アーカイブ

ウェブページ

  • about
Powered by Movable Type 6.0.3

2020年1月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

このアーカイブについて

このページには、2017年12月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2016年10月です。

次のアーカイブは2020年1月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。