2013年7月アーカイブ

猛犬注意

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二つのバンドの狭間を揺れ動いて結局孤立したマーク・ポートノイが、ビリー・シーンとジョン・サイクスというメンツで活動を開始したという話を訊いたのが2年前。で、案の定、サイクスのルーズさに付き合いきれなかった二人は袂を分かち、これまた案の定wビリーの近場であるリッチー・コッツェンに声をかけプロジェクトを再開したと訊いたのが1年前。ただ、当のコッチーのHPやつぶやき見てても一向に活動してる模様はつかめず、またリズム隊はトニー・マカパインらとセッション・バンドを組んで来日したりと、また人知れず空中分解してしまったのでは?とその実態が霧の向こうのままだった。


それが今年に入り、バンド名に「ザ・ワイナリー・ドッグズ」を冠してアルバムをリリースするとメディアが報じ始めてこの「スーパー・バンド」のベールがやっとはがされた。で、発売されたのがコレ。直前には来日も発表された。

1CD+1DVD / The Winery Dogs / Same


それぞれのエクイップメントの世界でトップを走る人達のぶつかり合いゆえ、その音圧には凄まじいものがある。実際俺は夜聴くと体力奪われるので朝会社行きがけにしか聴けなかったw バンドの創設者、裏のボスを差し置いて(爆)音楽的にはコッチーが主導しているゆえ、彼の聴きなれたメロディ・ラインがあちこちに散りばめられてはいるものの、バンドのコンセプト自体が彼の目指す「歌もの」とは対極をなすものなので、俺的にはイマイチ物足りない、てゆーか馴染めない。多作家でセッションも幅広くこなすコッチーが、サイド・ビジネスでやりましたよ、的ないつものパターン。まぁ逆にライヴ予習で歌覚えていかなくてもよかったんでその点では助かったんだがw


そんなだからライヴに向けての高揚感って、いつもほどではなかった。正直直前のウィッシュボーン・アッシュのほうが楽しみだったし(苦笑)。一応押さえてた大阪のチケだが、7月頭から続いている急な仕事もあったし、まぁソロは全部行く(ストーンズの前座やったのは知らなかった)義務感はあるけど(誰に対して?w)、バンドの一員ってシチュならどっちでもいいや、てことでヤフオクで売っ払う。なので俺の初日は日本青年館だった。


今回でライヴ観るの3度目な日本青年館は、周りが野球練習場だったり競技場だったりして判りにくい所にある。以前イングヴェイを観るのに大江戸線の最寄駅から向かったけど、案の定迷い"Rising Force"中にたどり着いた orz 今回は千駄ヶ谷駅から向かい、難なく開演前に喫煙所で一服できる余裕。。。。だったのはその間に上のホテルへ4-5回泊まりに行ってしっかと足が覚えてたからだよ(爆、あそこは旅館みたいな20畳の和室に5000円以下で泊まれて気分転換になるん♪)


で、この日の席は真ん中あたりの列の最も左端の席。まぁ普段の俺的には両サイドが人よりもそっちのほうが気が楽で好きなんで決して悪い席とはいえないんだが。。。開演のアナウンスで本日の公演はDVD収録されるとのこと。さすが深民氏やりたい放題のWHD(爆)。


客電が消えショウのスタート。ソールドアウトな会場の歓声が物凄い。その中、印象的なSEが流れるとかもなく、至って普通な感じでメンバーが登場して一斉に音出しして1曲目の"Elevate"で俺もヘドバン!


。。。のつもりだったんだが。。。大好きなコッチーのギターとヴォーカルがよく聴こえません(涙)。
目が悪い俺にはこの位置じゃ顔すら見えない。てか、俺、今回で20回目になるが15メートル以上離れたとこから彼を観たことがないのでかなり困惑した。


予想が的中して、ビリーのベースとマイクのドラムしか聞こえない。ビリーはステージ上にアンプを6つも展開なさっとる。。。それが直接こっちに届き、PAではうまくミックスされてるのかもしれんが、今回それよりも左なので、まったく音像が捉えられない最悪な状況。


CDでは絶妙なパワー・バランスで圧倒されたが、ライヴだとそのパワーを誰も制御することなく開放するもんだからもうとりとめないことになってる。それはコッチーの唄にも影響されてて、彼の味のある普段の絶妙な唄どころでなく、音程をよく外す。イヤモニ届いてないのか?


てことで、2-3曲目には早くも俺ギヴ・アップ(涙)。どーせDVDになれば「正しくミックス・ダウン」されて、唄も差し替えられた形で見れるでしょうと、試合放棄のコールド負け状態。腕を組んでリズムにも乗らずただ仁王立ちしてその場に終わるまで居た。


。。。のでこの日はよく覚えてない、てか今でもなかったことにしたい(爆)。本編ラストでコッチーが初来日以来17年にして初めてキーボードを弾く姿が垣間見れたが、後ろ向きじゃ悲しい(聴きどころというほど上手くもないし)。2回の演後の集まりで、これほど場所によって感じ方・捉え方が違うショウも珍しいなぁと肌で感じたし、ドームとかなら割り切れるが、ホールという場所で観せる側(主催者側)としてこういうことって本来あっちゃならないようにも思うんだが。

17/07/2013 Tokyo Nippon Seinenkan Hall The Winery Dogs setlists

Elevate 
We Are One 
Criminal
One More Time 
Time Machine 
Damaged 
Six Feet Deeper 
Drum Solo 
The Other Side 
Bass Solo - You Saved Me 
Not Hopeless 
Stand
You Can't Save Me 
Shine 
I'm No Angel 
The Dying 
Regret 

Encore
Fooled Around And Fell In Love 
Desire


もうなんか鬱になりそうなくらい落ち込んで会場を後にして、帰りに寄ったカフェのおねいさんが超かわいかったので慰めてもらいたかった(って連れの女性二人に失礼だぞ!)。この日のめざましテレビの占い「気分がブルーで楽しめない一日」って当たってたわ(苦笑、ラッキー・アイテムは千切りキャベツだったけど、後の祭りだったので白菜サラダ食ったw)。


ぶっちゃけこの3ピースの形態で一番しっくり来るのはやはりライヴハウスだと思う。追加公演の赤坂ブリッツには期待しよう、と自分に言い聞かせる。ただしこの会場では珍しく椅子席仕様だったけど。もっともそのおかげで1時間前から待ち、とかでなく会場に滑り込めたわけだが。この日は8列目の最右端席、って昨日といい両極端なんだって!(ウドーの一人分確保ってだいたいそんな感じ)でも昨日と違いコッチー側だからワクワク。キーボードの位置もこちらから顔が見えそうな気配♪


そしてショウは"Elevate"でスタート。よっしゃ、今日はギターも声もちゃんと聞こえるぞ!俺も安心して音に身を任す。髭面には慣れたが、髪をあそこまで短くしたのは初来日以来だったんで若干違和感はあったが、いいんです、顔よし・歌よし・ギターよしのこれが俺の期待するコッチー様だ♪ 前回から指弾きになった姿もバッチシだ。続けての2曲でも三人のパワフルなプレイのぶつかり合いが続く。ここでコッチーが挨拶。「ひさしぶりー!」ってこの3人では初めてだから自分のこと言ってるみたいだが、そう言うところをみると2年前の台湾プロモータによる1日限りのショウは忘れたい過去らしい(苦笑)。


続けて明るめの"One More Times"と対照的なダークさを持った"Time Machine"はどうやらアルバムから漏れた新曲らしく、途中から疾走感溢れる展開でコッチーのギターが炸裂する曲。この曲が終わってマイクが早くも観客にスティックを投げ入れる。間を置いて都合3回。その後日本の観客を"Beautiful!!"と褒める一幕が。で、よく判らなかったシチュエーションを演後に知り合った当事者から訊かせてもらったw マイクは女性に向かってスティックを投げ入れたらしいんだが、取り損なってしまい隣の男性客の激しい取り合いになってしまったんだと。で、もう1回投げ込んだらまた取り損なってもう片側の男性に。でもその人が察してそのスティックを彼女に譲ったら、それを見たマイクが"Japanese, lady first!"とえらく感動して今度は彼へスティックを渡したという次第。日本の印象を良くしてくれたその男性に拍手、と同時に「ヨーロッパや南米じゃ取り合いだよ!」とそのものを演じた二人に苦笑いをw


続く"Damage"はコッチーのソロの流れを組む(「ホワット・イズ」あたりかな)佳曲で、マイクのドラムも抑えめで超聴きやすかった。対照的にバスドラドコドコの"Six Feet"も「ゲット・アップ」の次あたりにもう1枚挟まってれば入ってただろうな、路線変更で一度切り捨てたアウトテイクが今こうして日の目を見れたと考えれば興味深い。壮絶なドラム・ソロを挟んでアルバムいち速い"The Other Side"でようやくヘドバンできて満足♪


ここでビリーの超長いソロに突入。あ、俺、彼がキライなわけでは決してないからね。彼の飽きさせない持てるテクニック全部入りのソロは見ものだし、ここまでやるプロフェッショナルも希少なんで目を離す隙も無い。そのままベースからインするアルバムで印象的な"You Saveed Me"に続く流れなんてゾクゾクさせてくれた。"No Hopeless"も「ゲット・アップ」路線だわな。


ここでアコギを抱えたコッチーのソロ・タイムの始まり。やる曲は当然"Stand"しかないわけで。ポイズン時代のこの曲がここまで受け入れられてるのも妙に思えるんだが、ちゃんとコーラスもできてるし、誰にも邪魔されず(苦笑)本来の伸び伸びしたヴォーカルを堪能できたことに何の文句があろうか。アコギのまま続けたのが"You Don't Save Me"。日本未発売の「イントゥ・ザ・ブラック」の1曲目を飾る力強いメッセージ溢れる曲で、この後日本を見限ったわけだから前回含めて3回しか聴けてない。でも今回ソロ曲が聴けるとは思ってなかったんで涙ウルウルだわ、よく選曲してくれました♪ でも早々と切り上げて"Shine"へ突入してしまったのには orz コメントは差し控えるけどドラムも原曲に敬意を表して控えめだったし聴きやすかったのは確か。アルバムで好きなメロディとヴォーカルの一・二を争う"I'm No Angel"と"The Dying"(後者は若干苦しそうだったけど。後日PRTで聴けたアコ・ヴァージョンが秀逸だった)、キーボード姿を正面から拝めた"Regret"でアルバム同様に本編を〆るあたり("I'm Losin' You"みたいなガツンとした1曲で終わると思ってたのでこの余韻残してジワジワくるような終わり方も却って新鮮)と、俺的ハイライト続きで大満足だった。てか既にお腹いっぱいww


アンコールに最近たまに演ってるスティーヴン・ヴィショップのカヴァーを挟んでリード・トラック2曲のうちの1曲"Desire"と、その100分満たないけど充実しすぎのショウの幕を〆たのでした♪ とにかくこの日はコッチーだけを観てればいい場所だったのでホント楽しかった。前日どころか2年前の記憶さえアップデートしてくれた(あん時は首から上しか見えなかったので、苦笑)のでよしとする。唯一後悔があるとすれば、コッチー側良席だった大阪を手放してしまったことだな(涙)。


18/07/2013 Tokyo Akasaka Blitz The Winery Dogs setlists


Elevate
We Are One
Criminal
One More Time
Time Machine
Damaged
Six Feet Deeper
Drum Solo
The Other Side
Bass Solo - You Saved Me
Not Hopeless
Stand
You Can't Save Me
Shine
I'm No Angel
The Dying
Keyboard solo - Regret

Encore
Fooled Around And Fell In Love
Desire


個人的にはまた観たいと思うようなプロジェクトではないし、コッチーのクリエイティヴなキャリアには必要のないエラ(Part2 w)だとさえ思うんだが、アメリカ本国でのセールスが予想外にいいので、意外と長く続いちゃうかもね。そのパワー・バランスを厄介に思わず、このままコッチーが肩に刻まれた「忍」さえ肝に銘じさえすれば(爆)。


ここが静かな時は
ここで暴れてるか
鑑賞中です♪

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