1DVD Phoenix Rising / Deep Purple
「カム・テイスト・ザ・バンド」のリマスタと並行してディープ・パープルMk4のドキュメンタリーが制作されていると訊かされて早幾年。リマスタから遅れたものの、満を持して登場。
国内盤は日本語字幕付きのDVD1枚もの
輸入盤は1DVD, 1DVD+CD(サントラ), CD単体、そしてCD音源をボーナスコンテンツとして収録したBlu-Rayでのリリース。
最初の30分は75年武道館公演のフィルム、いわゆる「ライジズ・オーヴァー・ジャパン」の公式リリース映像。全5曲という構成で、ラストが止め絵で終わる旧ヴィデオ版と違うくらいでほとんど一緒。それでも映像の状態はとても良い。。。ただしBDで観た場合。DVDはなんかモザイクが入ってるみたいにエンコードが荒すぎて観るに堪えない。そろそろ国内メーカはデフォルト・リリースをBDにすることを本気で考えてほしい。
内容はね、トミー・ボーリンがアレなのを差し引いても素晴らしい。髭面カヴァの、マイク振り回しての堂々たる歌いっぷりはすごい。グレンはラリってるしw、トミーをフォローしようとロード翁ががんばってる姿もイカす。前へ前へと寄せる日本人客の熱狂ぶりも怖いくらい。切出された歴史を今こうして高画質で観れることは意味のあることかな。
そして後半は75分にわたるドキュメンタリー「ゲッティング・タイター」。基本的に当時の映像をだぶらせながら、現在のグレン・ヒューズとジョン・ロードが、マーク3の始まりからマーク4の終焉までを振り返るという構成で、当時を生生しく証言している。過去の映像は
「ヒストリー,ヒッツ & ハイライツ'68-'76 ディープ・パープル・アーカイブ・コレクション」で初出した映像ばかりでさしたる驚きはないものの、当事者が語るバンドの状態には聞き入るものがあり、知らないこと(ハンブル・パイのギタリストが候補だったとか)も発見できて興味深かった。ツアー・スタッフが殺害されたインドネシア「ジャカルタの悲劇」、カヴァが「ブレイクダウン」と表現したドラッグによるバンドの崩壊劇。当事者のグレンが今生きているのが奇蹟にも思えるような赤裸々な告白。カヴァは出ずともカヴァ・ファンなら観ておいて損はない歴史の教科書みたいな作品だ。最後にジョンが語る、「バンドの解散を決めたある出来事」を検証するために、マーク4最後のライヴのブートを引っ張り出して、そのポイントを一生懸命探したりw おもしろい時間が過ごせる♪
ボーナスコンテンツは「ジャカルタでの記者会見」(前述DVDと一緒)、「カム・テイストザ・バンドEPK」と称した現在のグレンとジョン、そしてかつてのトミーのインタヴュー肉声による全曲解説。
「サントラ」と称しているCDは75年武道館と76年ロング・ビーチ・アリーナからなるコンピであまり価値はない。
レビュー、ありがとうございます。助かります。液晶テレビを購入したので、BDのほうにします。楽しみです。