暗闇でドッキリ

| コメント(0)

俺にとっては22年ぶりのオジー・オズボーン。


前回のことはよく覚えてる。なにせ俺がスーツで観戦した最初で最後のライヴだったからw 当時ライヴの開始時間が18時半っていうのが普通だった。で、俺が勤めてた会社は18時に終業チャイムが流れて、その後10分程度の終礼があった。何か通達事項やお説教が増えれば当然長引く。とてもじゃないが終礼終わって、池袋サンシャインの26Fから九段下の武道館に向って間に合わせるのは困難だと判断した俺はタイムカードの押印を同僚に任せ(爆)、チャイムとともに私服とスーツ持ち歩く袋?ケースを含む荷物を抱えてオフィスのいくつかのドアの1つから飛出した。

どういう判断でかは忘れたけど丸の内線で後楽園駅まで出て、そこからはタクシーを拾い武道館の入口まで着けてもらうことに。着替えはその車中ですればいいと。タクシーは北の丸公園方面から武道館へ近づく。

タクシーの運ちゃん「今日は誰のライヴなんすか?」
俺「(上着をケースにしまいながら)えーっと、なんて言うか。。。(説明が難しい。まさかヘヴィメタで悪魔の歌うたってる人だなんて言えんし、汗)」
タクシーの運ちゃん「ああああああー!」
俺「?????」
タクシーの運ちゃん「すげー、真っ暗だ!」

前を見るとなぜか街頭が付いていない道を森深く進んでる。3月という季節もあってまさに漆黒の闇に吸い込まれていくようで不気味さが怖かった。しかもこれから会いに行く人物は「闇のプリンス」と呼ばれる男である(汗)。俺は着替えの手を止めてしまい、そのまま武道館前へ(苦笑)。既に1曲目が始まってる中、たいそうな荷物を抱えてアリーナ席へなんとかたどり着いたのを覚えてる。

当時参加したばかりのザック・ワイルドはキレイだったし(いろんな意味でw)、オジーはといえばのっそりのっそりステージを左右に移動して手を上げて客を煽る。バケツに貯めた水を客席に浴びせ喜んでる変なおじさんだったw 当時は盟友ギーザ・バトラーが参加してたので彼の首振りながらのベースが一番かっこいいと思ったかな。

リアルタイムで聴いてた「ノー・レスト・フォー・ザ・ウィックド」の曲やらで楽しかった。けど、観て音楽的にああ凄いとか何か得るものがあったかとは別の次元の話で、その後彼のソロ・キャリアに関しては興味が薄れてた。一度引退を表明して撤回して復活してまうような人でもある(え、誰かさんも一緒ですがw)。

それが2000年代に入って「オズボーンズ」というTVで一躍その親しみやすいキャラが掘り起こされて、「オースティン・パワーズ3」なんかにもちょい役で出たり、「奇行の人」から「お茶の間の顔」になった時期を経て、「ブラック・レイン」アルバムからの"I Don't Wanna Stop"のPVに魅せられた。ほんまこの人、ファースト・シングルはもの凄いインパクトあるものばっか出すよなぁと再発見した。

その後、韓国でのイベントのついでに来日公演することが「決定」とまでは発表されたが、韓国イベントが中止されてツアー自体がなかったことに。俺的には今回のツアーがその仕切り直しというつもりで、単独公演を観に行くことにしたんである。まぁ最新作「スクリーム」からのファースト・シングルにも燃えたし。


当日は徹夜作業明けだったので午後休とって一度帰宅、身を清めて今回は私服でw会場に向かう。開演も前回と違い19時半と、社会人に優しい設定だったが、半休なんで余裕のよっちゃん。席は8列目だったが、右端PAど真ん前エリアだったので実質5列目(ゲイリー観たところ近辺か)、まずまずの席だが周りは年齢層高w 二人のおとなしげな恰幅のいい人に挟まれて、こりゃスリー・メタボーズだな!とかバカなことを考えて開演を待つ。国際フォーラムの椅子って座り心地いいなぁ。きっと高いんだろうね。今日は「あの恒例行事」も。。。場所柄わきまえれば、まさかないよねw とか考えながら。


AC/DCの"The Jack"が流れる中、時間ジャストにPAからオジーの笑い声が。姿は見えずとも"I can't hear you!"で客を煽る。場内が次第に興奮する中客電が消え、お決まりのSEが流れてオジー登場。なおも歓声を求めながら"Let's go crazy!!"の掛け声とともに"ばかだもん""月に吠える"でショウがスタート。バスドラの重低音が全身の毛を震わせるw 御大は常に後ノリの手拍子と掛け声をこちらに要求する(これが難しいんだわな、掛け声するときは拳突き上げるほうが自然だし、汗)。

1曲終わったところで早くもドラムライザー麓にあったバケツの水を自らに浴びせる。てことはどこの写真も1曲目しか撮影許可されてなかったんだねw 水浸しの髪を振りながら2曲目の新作タイトル曲へ。歌ってる以外は常に客を煽る。ギター・ソロもお構いなし。

3曲目の"Mr.Crawley"の壮大なイントロが、キーボーディスト兼(サバス・ナンバーでの)サイド・ギタリストであるアダム・ウェイクマンのプレイで始まる(父親はイエスのリックである)。この代表曲でやっとウチらも盛り上がり方に慣れてきて、終わると同時に"You're the No.1!!"のお褒めの言葉をいただく。

ご褒美はそれだけでなく、右そでに並んだバケツの1つを担いで、それを前後に振って。。。はい、左前方客席に向けてバシャっと浴びせかけたw 

もうそこから"Ozzy in Wonderland"ともいえる凶宴の始まり。ピョンピョン跳ねたり、楽しそうにはしゃぐオジーと吹っ切れた客席の一体化は20年前と同じ。


目の前にずっと立ちはだかってそのプレイを見ることになったニュー・ギタリストのガスGに関しては、俺自身がギター・ヒーローにはあんま興味ないんで多くは語れないけど、歴代の華々しいギタリストに名を連ねるに十分なフラッシーなプレイをくりひろげる。時折ルックスがスティーヴ・ヴァイに似てるなと思った。下に設けられた1mくらいのファンから送られる風でロン毛が宙にふわっとたなびく様は女性ファンの瞳に星を作らせたに違いないw

その後もサバスの曲とソロ・キャリアのグレイティスト・ヒッツを交互に交え、ギターやドラムのソロを含むバンド・インスト(サバスの"Rat Salad")もフィーチャして、これぞ「メタルの王道」ともいえるショウ展開を繰り広げる。アンコールお決まりの2曲を終えても、オジーは"One more song? なら叫べ!"とこちらを煽り、結果2曲もその声に応えた形となり、22時ちょい前の終演まで2時間15分という長丁場となった。今回2パターンのセットリストを入手して予習に挑んだが、結果それら全曲に加えてさらに2曲も聴けたということは、今回の単独公演がいかに特別であったかを物語ってるといえる。


13/10/2010 Ozzy Osbourne Tokyo Kokusai Forum Hall setlists

Ozzy's MC
SE: Carmina Burana
Bark at the Moon
Let Me Hear You Scream
Mr. Crowley
I Don't Know
Fairies Wear Boots
Suicide Solution
Road to Nowhere
War Pigs
Fire in the Sky
Shot in the Dark
guitar solo - Rat Salad - drum solo
Iron Man
Killer of Giants
Flying High Again
I Don't want to Change the World
Crazy Train

Encore
Mama, I'm Coming Home
Paranoid
Encore2
No More Tears
Encore3
into the Void


終わって東京駅まで歩いてる最中も、なんか笑顔が止まらなかった。会場びしょ濡れになったけど、きっとオジーのツアー・スタッフには専属の乾かし隊がいるに違いない!とかバカなこと考えたり。。。本当に楽しかったのと同時に何よりもオジーの徹底したショウマンぶりに感服した。

「楽しんでナンボ」。この人ほどそれを自ら体当たりで実践している人なんてそうそういない。そんな人がロック界のアイコンとして常に最前線にいてくれるから後続が好き勝手なことやれるわけだ。オジーが変に時流に流されたりせず、ずっとオジーのそのままでいてくれてる、彼の功績と存在の偉大さに気づく。


そしたら急にオジーが愛しい人に思えて、もう一度観てみたい気になった。。。


で、場所を関西に移して2デイズ目を体験したくなり、ハルフォード@名古屋を終えたその足でラウド・パーク@神戸のあるワールド記念ホールへ。


20101016174011.jpg

12時からのラウドネスに間に合うよう会場入りして、クニ、スピリチュアル・ベガーズを観た。スタンド後方から観た客の盛り上がりはラウドネス>スピベガ>クニの順。俺的にはスピベガの新ヴォーカルはイイ線いっててまたカタログ集めてみようという気になった。


あ、この時点でラウパ1回で観るバンド数の記録樹立です、1-2バンド観たら帰るって恒例の自分にしてみればw 俺的に観たいと思うバンドは連続して観れないと時間の無駄でイヤなん。それがタイム・テーブルで実現してるから今回神戸のほうを選択したわけで、その意味ではもう十分11500円の元は取れる(交通宿泊費は度外視)。


一旦会場を出てホテルで休憩して、モーターヘッドから再参戦。アリーナ最前から3-4列目の位置にまで接近。例のマイクが下へ傾けられたスタンドがセッティングされただけでゾクゾクした。登場したレミーは存在そのものが極悪w かと思いきや、「アリガトウ」等の日本語(2つしか知らないそう)を使って、日本に来れてファンの前でプレイできることをいたく感謝してて、いい人やわー、とそのキャラに好感。彼らもリヴィング・レジェンドの名にふさわしく、歓声も大きかったけど、一緒に歌う人は少なかった(モタヘのT着てる人ですら、汗)。この人たちもまた結構諸国との温度差があるバンドなんだなぁと感じた。


そしてトリのオジーに向けてのセット・チェンジ。客の密度が上がってくる。俺は左寄り前方からちょっと後ろへ下がるけど中央寄りへ移動。なるべく正面側で観たいのと、オジーの力ではバケツ水届かなさそうな位置に向かって(笑)。


ここでも最初オジーのMCで始まったが、ちょっとかすれた声だったんで本人かどうかわからないで盛り上がらない状態が続く。
"Ole Ole Ole"の歌声でまごうことなきオジーとわかり、会場が合唱と手拍子を始めて暗転、ショウのスタート。


スタンディングならではの盛り上がりでもみくちゃにされながらも(あ、それでもそんなひどくではない)密集した客の歓声と手を挙げる一体感に「今年初だが大阪にやって来たんや!」って実感。あ、厳密には神戸ですがw


結局この日はフェス用セットリストのアンコール2を除いたものだったけど、強弱のバランスといい、引き締まっててよかったと思う。双方完全燃焼という形で終えられたのが何より。


あ、この日のおケツ出しはたしかアンコール中でした♪(東京は始まって早々だった)

16/10/2010 Ozzy Osbourne at Loud Park 10 Koube World Kinen Hall setlists

Ozzy's MC
SE: Carmina Burana
Bark at the Moon
Let Me Hear You Scream
Mr. Crowley
I Don't Know
Fairies Wear Boots
Suicide Solution
Road to Nowhere
Shot in the Dark
guitar solo - Rat Salad - drum solo
Iron Man
Killer of Giants
I Don't want to Change the World
Crazy Train

Encore
Mama, I'm Coming Home
Paranoid

音楽って、理屈じゃない。そう体現する御大をこの先何度観れるかは判らないけど、これからもショウにゴシップに我々を楽しませてくれることは間違いないでしょう、ウン。

コメントする


ここが静かな時は
ここで暴れてるか
鑑賞中です♪

月別 アーカイブ

ウェブページ

  • about
Powered by Movable Type 6.0.3

2015年11月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

このブログ記事について

このページは、kino1989が2010年10月17日 18:20に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「I gotta your love」です。

次のブログ記事は「復活のハルフォード」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。