復活のハルフォード

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きこえるか きこえるだろう はるかな轟きー♪ 
それは復活のイデオン!

CD / Halford / Made of Metal

ロブ・ハルフォードのバンド、ハルフォードが復活したのが昨年。「ウィンター・ソング」というタイトルでクリスマス・ソングを含むアルバムが発表された。いわゆる「企画モノ」の類にも思えたけど、中には正統派メタルの曲を含み、ていうかクリスマス向けは2曲だけで、どうやらこれが実質3枚目のアルバムになると分かった時に、なんかしっくり来ないものがあった。だから通しで聴いてなかった。

で、今回。オズフェストとラウパへの参加にあたり、新作をリリース。それが本アルバムで実質4枚目のアルバムになる。
特に1作目の鋼鉄サウンドの衝撃は凄まじかったものだから、当然今度の新作に関しても期待大だった。
が、しかし。。。

一聴してなんか印象が「軽い」んである。プロダクションのせいかもしれないが、1-2枚目の頃のこうズシンとくるものがない。
タイトル・トラックの軽さはPVで知ってたんだが、全編そんな感じに聞こえる。しかも"Till the Day I Die"なんていう同名異曲だが、スライド・ギターを使った曲すらある。。。

前作と同様のちょっとした拒否反応だ。明日がライヴだというに曲が消化できない。ちょっとパニクった。


で、はたと気づいた。新生ハルフォードが目指すものに。


今はジューダス・プリーストの一員に復帰した彼が、ジューダスに対抗するような曲を書く必要があるのか。建前上できないし。そう、これは過去のバンドの継承として聴くんでなく、二束のわらじを履く彼のソロ・アルバムだと思う必要があると。そう考えたら前作の曲風もうなづける。ハルフォードは以前とは別のベクトルを持ちつつ生まれ変わったんだと。


で、カヴァの「イントゥ・ザ・ライト」を聴くような心構えで聴きなおしてみたら。。。


いい!これはこれで素晴らしい! スクリーミング商法(まだ言うか、唱法!)を使わないロブの生き生きとしたヴォーカルが楽しめるごキゲンなアルバムじゃないかえ。

ツボを心得たらもう溝に堕ちていくだけ、数時間後には「いや、これはもう過去の曲は一切捨て去ってこのアルバム全曲プレイのショウが明日観たい!」とまでにw そこまでいかずともフル公演である名古屋ではある程度期待できると思い楽しみになってきた。

で、当日、名古屋へ。ラウド・パーク以外で観れる唯一の単独公演が去年のジューダスと同じこの地で。


クラブ・ダイアモンド・ホールはサンダーの97年ツアーで行ったことがあるんで、なんとなく土地勘あるつもりだったんだが、近くのホテルにたどり着く途中に下見のつもりが見つけられなかった(汗)。チェックイン後改めて地図で確認して今度は会場に無事着(通りの反対側だっただけ、それとも移転した?)。階段で並び待ちして、40番台だったのでほどなく入場。

。。。したら椅子が置いてあった(汗)。


1000人は押し込める会場だ。よっぽど売れなかったんだろう。しかたない、名古屋だもん(苦笑)。とりあえず2列目中央からちょい左寄りの席に座る。


で、去年のプリースト同様、金払うからには思うようにしたいと自己主張するのが名古屋人らしく(笑)、スタッフに「観たいとこで観ていいんね?」と文句を垂れる人が現れて、後からの入場者が勝手に最前柵前に陣取るという事態が発生。最前椅子に座った人達もスタッフに問い詰め出して、急遽調整が始まる。結果「通路になるスペースを開けてもらえればどこで観てもらってもかまわない」ということに。でもそんなこと言ったって余裕的に見れば2列目の俺らが1列目の椅子の前に動くぐらいしかないじゃん(汗)で、俺らは移動。

隣「じゃあ最初からスタンディングにすればよかったのにね」
俺「そうっすよ。バンドにも失礼っす。よっぽどチケ売れなかったのかな?」
隣「もっと入るんだけどね。この椅子の並びじゃ200ってとこかな」
二人「ハァ。。。(溜息)」

まぁショウが始まって途中で俺の後ろにも人がいるのに気付いたんで、いくつかの椅子は取り払われたんでしょう。そもそも椅子席だって訊いてないのでこれはプロモータの明らかな判断ミスだと。

で、そうこうしてるうちにバンド・メンバー登場。セットアップしてから客電が消え、ファーストのオープニングを飾る荘厳なSEが流れれば1発目は"Resurrection"。革ジャン姿のろぶろぶ。。。。すげ、近い(汗)。メタル・ゴッドをこんな間近で拝めるの初めてでそれだけで興奮。続く"Made in Hell"はもう神曲。会場の掛け声も勇ましい。ここまでの流れはオズフェストと一緒。3曲目は"Locked"で、ファーストからの頭3曲を連発することでしっかりとこちらにペースを掴ませる。

ここでサングラスを外しつぶらな瞳を見せ、革ジャンを脱ぎTシャツ姿になる。。。その体型に、なんか違う生き物見てる気がしないでもなかったが(微笑)、ジューダスでの重々しい(ホントに重い)ジャケットを纏う神々しさとは違う等身大さが出ていていいぞ!どのみち俺も似たような体型だ!(一緒にすな)


「戻ってきたぞ、名古屋!今日はスペシャルな夜だ。今日はメタルマニアックスのために新作『メイド・オブ・メタル』からやるぞ!(超訳)」

そう宣言して始める懸案のタイトルトラックは。。。めちゃめちゃヘヴィに変身! 続くアルバムのオープナーもしかり。あたり前だ、つわものどもの爆音モロだからw 俺の目の前はロイZだった(背中にもそう書いてあったので間違いないw)。自作を口ずさみながらはスティーヴ・ハリスぽかった。活動休止前からの不動のメンバーなので息もバッチリ。客の反応はまぁ当日国内発売だからしかたない。俺すら歌詞は覚えていけなかったんだから。

ここでファイト時代とハルフォードとしてのセカンドからのヘヴィな曲を1曲づつかまし、再び新作から"Fire And Ice"。メロディ・ラインとリズムテンポがどことなくライオット88を彷彿させる。。。って、ドラムがそのボビー・ジャーゾンベクだからだよ!多分トニー・ムーアに歌わせてもハマるかも(プロデュースしたれ、ロイw)。相変わらず「後ろのシンバル見ないで叩き」がイカす。


さて、中盤にさしかかり、ここまで来たら、あったらいいかもなーいやあるに違いないのプリースト・カヴァーだが、彼の口からプリーストをやる気配はまだない。。。と思ったらピーター・グリーンとジョーン・バエズの名前を挙げてプリーストがカヴァーした2曲をプリーストのアレンジで突っ込む。これはオズフェストでもなかった演出で素晴らしいアイディアだ。プリーストの名前を出すのはマズイと思ったのか「"Metal Monster"が以前プレイした...」と紹介してた。そして続くは出ました、やっと"Jawbreaker"! オズフェスでは「ロッカ・ローラ」の"Never Satisfied"とかマニアックすぎたのでこの選曲は素直に燃えた(サビの渾身のスクリーミングにブルブル)。この最中に金髪のいい匂いさせた(オイオイ)お姉ちゃん二人が俺の前に乱入。キャッキャと騒ぐだけならいいんだがおしゃべりまで始める始末だったが、立て続けにファストな"Cyberworld"にヘドバン、コーラスするウチらを見て空気読んだのか即座に退散。

そして本編〆も新作でと大胆。特に"Thunder and Lightning"は勿論シン・リジーとは同名異曲だが、もう一人のギタリスト、メタル・マイクがロイZ側に来て寄り添いながら二人でかますイントロのツイン・ギターが美しすぎ。アウトロでの交互のソロ・バトルも最高潮で一旦終了。

ほどなくしてメンバー再登場し、アンコール。ここからの2曲ははじめに曲を作った背景について語ってくれた。まずはジミヘンに捧げたという"Drop Out"は自分のレーベルから出したベスト盤に新曲として収録したセカンド頃のヘヴィを持った曲。そして次がプリーストでデモに終わった"Heart of A Lion"。よく聞き取れなかったが、「人は殺し合ってて楽しいのか?」とライオンの目を通して書いた曲みたい。〆はヘヴィな"Saviour"でこちらもガンガン頭振って爽快なフィナーレを迎えられた。


俺の前のカップル。女の子がエビちゃんに似ててすごく可愛かったんだが、メタル・マイクがもう2曲目くらいから目つけてて、ずっとアイコンタクトしまくり(隣に彼氏いるにも関わらずw)。たく、そんなことばっか気にかけやがって、少しはロイみたいに真面目に。。。と思ってたらそのロイも最後の最後に自分のピックを彼女に手渡してその手をしっかり握ってました、とさ。さすが敏腕プロデューサのやることは一歩先を行ってるw


15/10/2010 Halford Nagoya Club Diamonds Hall setlists

Resurrection
Made in Hell
Locked and Loaded
Made of Metal
Undisputed
Nailed to the Gun
Golgotha
Fire and Ice
Green Manalishi
Diamonds and Rust
Jawbreaker
Cyberworld
Like There's No Tomorrow
Thunder and Lightning

Encore
Drop Out
Heart of A Lion
Saviour

俺はラウパではこの日のセットリストから新曲を2-3曲オミットしたものになるんではと予想したけど、PRTに載ってるリストでは結局アンコールを飛ばしただけで、新曲5曲は含めて勝負したみたいだね。それだけの自信作であることは俺も保証する。まぁプリーストの合間の活動というのがタイミング的にどうなるかが不安定要素だが、この10年で実に6回も来日してツアーを行ってる親日ロブロブのことだから、ぜひ再来日して全貌を楽しませてほしいといったところだ。

コメント(3)

これより1stの再発を買ったほうがいいかと。
KINOさん、無理矢理自分を納得させてませんか(笑)。
僕はダメでしたね~。
今回のニューアルバム。

ユーライアヒープのセトリを探してたどり着きました。

いいレポ読ませていただきました!
面白いように行き先が同じで笑ってしまいました。
これからも覗きにこさせていただきますね。

今月は至福のライブ三昧で、社会復帰が難しいです(笑)

ヒープとハルフォードのセットリストいただいて帰ります。
ありがとうございます。

ちなみに、ハルフォード名古屋で前で見てたカップル?(笑)です。
確かにマイクのアイコンタクトすごかったですね。
終わってからスタッフが声かけに来て彼女だけ連れて行かれたら
どうしようって心配してました。
でもじつは彼女、ロブ命で、ピックもらったにもかかわらずギターの
名前も知らな~いって(爆)
ちゃんと教えておきましたけど...
ロイには2人して手渡しでピックもらえて、帰りはずっと笑顔でした。

しかしお客さん少なかったですね、直前にイベンターが招待状
出しまくってたので、心配していたのですよ....

こんばんは。あ、そうですか、ご当人達ですか!(驚)。
まぁ、あーゆー光景は今回が初めてじゃないので(爆、ミュージシャンってみんなそうかよw)、お持ち帰りされないでよかったです♪
なんやかんや言いながら名古屋は通うに好きな場所です。一緒に盛り上げていきましょう。

PS.ヒープ2日目のunknown song は"Shadows"という曲です。「パワーロックトゥデイ」のセトリ・コーナーでも確認してみて下さい♪
http://bayfm78.com/prt/index.htm

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ここが静かな時は
ここで暴れてるか
鑑賞中です♪

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このページは、kino1989が2010年10月17日 21:42に書いたブログ記事です。

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