前述したとおり、俺が「ウリ・ジョン・ロート」って人を認識したのはスコピでもエレクトリック・サンでもなく、90年代にゼロ(コーポレーション)から出た「プロローグ・オブ・シンフォニック・レジェンズ」なのである。多作家ではない(てゆーかほとんど隠居のw)彼が満を持してプロジェクトに取り組もうとする意気込みを感じさせた、壮大なコンセプト作品の予告に胸馳せた。
ところが構想は見事頓挫(苦笑)。ゼロの解散や本人の破産、恋人の自殺、まぁいろいろなことがあったせいとも言えるが、あれから12年。結構な数のソロやDVD、ライヴ活動を経て。。。いよいよ3部作(予)の第一弾が登場!
1CD / Uli Jon Roth / Under A Dark Sky
タイミング的にジューダスの傑作「ノストラダムス」と被ってしまって話題にならんかもしれんが、"The Magic Word"なんて「あれ?どっちのアルバムに入ってる曲だっけ?」って錯覚してまいそうで結構双方互角な出来。向こうが過去を題材に暗黒物語を再構築したならば、こちらは近未来の戦乱を描く。
ウリ自身が「自分の中でもっともダークな出来の作品」というのは、きっとこれから物語られる暗黒時代の導入部ゆえのことだと思う。オーケストラと言ってもかなり小編成なんで音の広がりは感じない。なんか昔よく聴いてた80年代前半のアニメ・サントラぽくも聴こえなくない(爆)。でも、その程度が彼のギターの音色(ねいろ)が埋没しないですむちょうどいいレベルかも。1-2曲目の導入部はオーケストラに任せて、3曲目の"Land Of Dawn"で本領発揮、7弦30フレットのスカイ・ギターが奏でる悲しくも美しい旋律が炸裂する。
マーク・ボールズのヴォーカルもそれなりにハマってると思う。俺的にはインヴェィのライヴのソロ・パートで魅せてくれたようなオペラチックな唱法の多用にも期待してたんだが、ちゃんと別にテナー・アルト・バリトンの各リード・ヴォーカルを擁しているので彼の出番はなしだ(苦笑)。まぁロック然とした本来の持ち味は生きてる。なんか聴きようによってはジョー・リンっぽくも聴こえなくない。もう一人の女性ヴォーカルのリズ・ヴァンドールも声質が似てて、正直途中までどっちが歌ってるのかあんまよくわからんところもあるw
1枚ものだけあって、しかも9曲目までは幅はあるにせよ平均で4分くらいの曲がほとんどだから結構あっという間に聴けた。最後の19分に及ぶ"Tanz In Die Dammerung"は圧巻。アコギで始まり12章に分かれつつ静から動への展開がめまぐるしく、まさに戦乱の混沌さと新たに誕生したメサイア(救世主)の誕生を表現している。最後の「寸止め生殺し」な演出も面白い。The Story Goes... 早くも次作に期待してまうではないか!(笑)
今回、改めてウリを聴いて感じたのは、インギーってブラックモア・フォロワーって言われるけど、全然ウリのほうに近いんだわな。そんな彼の強引な作風に比べると、ウリの楽曲の方が俺にはしっくりくるなぁ、と。。。
職人を擁した、実に家内制手工業的なぬくもりを感じさせる作品でもある。
来日、楽しみである。どこまで再現するのかは不明だがね。
サンプラザの2日目は、古巣の曲のオンパレードだそうです。
別にいいんですが、本人に歌ってほしくないですね~。
話は変わって、ウリの奥さんは日本人だとか。
本当かどうかは不明ですが、広島にこだわっているところをみるとそうかもしれません。
ZENOは間違いないみたいです。