恩讐の天使が語る時

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とんでもないもの到着(汗)

2CD+3LP / Judas Priest / Nostradamus - Super Deluxe Box Set

いや、前にも話した通り、国内盤の出荷が蛇のおかげで止まってるので、輸入盤を限定盤で注文。これかて2-4週間の予定だったんだが、結局こっちが先に来てしまった(苦笑)。
写真だと迫力ないですが、3LPとあるようにアナログ盤サイズです(汗)。中には2CD、3LPの他にポスターとハードカヴァーのブックレットが同梱。

ろぶろぶ復帰作「エンジェル・オブ・レトリビューション」に伴うツアーの終わり頃から既に構想を漏らしていた「メタル・オペラ」がついに目の前に姿を現したわけだ。

前作のレヴューでは結構歯に物が詰まった言い方をした。はっきり言って期待はずれだった面もあったから。事実、2-3曲がヘヴィロテになっただけで多分10回も聴いてないと思う。なので今回は過度な期待はしなかった(爆)。

それが功を奏したのか。。。
断言しよう。今回の作品は素晴らしい出来。きっと15回は聴くにちがいない!
(オイオイ、それが多いほうなのかよ!)

曲間にもドン・エイリーがアレンジした小曲SEを挟み、切れ目のないアルバムに仕上げている。こういう趣向は80年代のクイーンズライチ「オペレーション・マインドクライム」、90年代だとライオットの「プリヴィレッジ・オブ・パワー」以来だが、下手に楽曲をチョイスして聴くより、続けて聴く意欲を起さすもんだ。それが「コンセプト・アルバム」の醍醐味であるからして。てゆーことで何回も聴きこむ形にはならないかもということ。

「ノストラダムス」と言えば昭和世代の日本人からするとなじみ深いテーマだと思うし、メタル界ではニコロ・コチェフというギタリストが以前全く同じ形で2枚組オペラとして取り上げている(ゲスト・ヴォーカルがグレン・ヒューズ、ジョー・リン・ターナー、ドゥギー・ホワイト、ヨラン・エドマンといった錚々たる顔ぶれ)。今回到着した輸入盤でもさっそく歌詞を紐解こうと思ったが、ブックレットが慣れないフォントで全然読めません(汗)。内容は邦盤が届くのを待つとして、まずはバンドの気合いを通して感じることにした。そして思う。


前作は単なるウォーミング・アップにしか過ぎなかった。これが今のジューダス・プリーストの真価であると。


ファンがどの時代に自分のプリースト像を重ねるかの問題もあるが、正直言って今の彼らが"Painkiller"のような曲が望めるわけもなく、また本人たちもするつもりもなく、このような展開になったんだと察するけど、いやいや正解だと思う。ましてや、「ターボ」で物議を醸し出したシンセ・ギターを再び、そして大胆なストリング・オーケストラの導入。過去積み上げてきた「メタル・ゴッド」の称号をまったく白紙の状態にして構築した世界観。いや、ベクトルは名曲"Beyond The Realms Of Death"、"Victim Of Change"を生みだした初期を確実に向いてる。

ディスク1で唯一のファスト・ナンバーによるラストに、次はどうなるんだろう?
まさに昔、アナログだった時代にサイドをひっくり返す時の緊張感みたいなものをデジャ・ヴさす。
その期待はディスク2冒頭曲によって最大限に増長される。後半に入って実にドラマチックな展開に身震いすら起こる。ちゃんと起承転結が描かれてる。見事としか言いようがない。

「ヴォーカル至上主義」の俺としては、とにかくろぶろぶの健闘が痛快である。ステージでは既にのっそのっそとしか動けない彼が(あ、アレはメタル・ジャケットのせいか!)、このアルバムではまさに「七色の声」とも言うべき活き活きとした唱法で聴く者をノックアウトする。メタル界では意外と数少ない「ストーリーテラー」の実力ぶりを遺憾なく発揮してる。俺は歌に込めた「物語」を語っているヴォーカルを心で感じて魂を揺さぶられる時が、ああメタルを好きでよかった!って一番実感する時なんである。今がまさにそんな瞬間だった。

カヴァに関してもそうだが、俺、好きなミュージシャンは演奏者と呼ばずに「アーティスト」と呼ぶ。芸術を生み出す人としての畏敬の念を込めて。ジューダス・プリーストというバンドも俺の中のその領域についに踏み込んできたようだ。

前回の来日時は、長時間名曲をこれでもかとちりばめてファンを喜ばすことに徹した姿に、ショウビズとして万人が納得する「バンドが持つ商品価値」をキープし続けていることに感動しつつも表現者としての活き活きを感じることができなかったのをレヴューしたつもりだった。ある種「祭り」みたいなものだった。今回は満を持して「至高の芸術」を携えてのある意味全く逆のショウが楽しめそうだ。置いてかれる者すら出そうな気配ではあるが。

えっ?でも来年が全曲再演?。。。上等やん、この勢いだと全公演付き合うぞ!(多分w)




前回のエントリで3大バンドのことを書いたが、考えると、メイデン、プリーストというブリティッシュ・ヘヴィ・メタルの双壁を為すバンドも観れてるって。。。凄い年じゃん!

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ここで暴れてるか
鑑賞中です♪

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このページは、kino1989が2008年7月 4日 00:17に書いたブログ記事です。

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