先週土曜はビルボード・ライヴ東京へジェイムズ・コットンを観に。
ハーモニカ。ドイツ・ホーナー社の商品名である「ブルーズ・ハープ」という呼び名のほうで親しまれている、ブルーズ・フィーリングを醸しだすに必須な楽器。
俺にとっての3大ブルーズ・ハーピストといえば、ルーク・モーリーでしょ?イアン・ギラン、あとは(ゴットハードの)スティーヴ・リー。。。
。。。てのは冗談でw 唯一上げられるのがバディ・ガイの盟友、ジュニア・ウェルズくらいなんだわ。一応リトル・ウォーターのCDなんかは持ってはいるが、その彼の後釜としてマディ・ウォーターズ一家に加わったこの人はノーマークだった。有名なライヴ盤「ライヴ&オン・ザ・ムーブ」はスリムなジーンズにハープが刺さったジャケットで強烈な印象はあったし(デニム・フェチでかよ!)、「100%コットン」なんてアルバムも有名だわな。
まぁ予習はしなくとも、ブルーズ・ハープに触れられるよい機会だと思って会場へ。当日はPCの危機を救うために朝タクシー飛ばして自宅へ帰ったんだが、ひと寝入りしたらなんか風邪っぽくなって、熱も若干感じてたんで、直前までどうしようか?考えてたが、ブルーズ・アーティストは特に「次回があるか?」の保証はない。思い切って大江戸線に飛び乗る。
会場は前回のチャーに比べて閑散としたものだった。特に3階席、俺の隣10席は空席だったし(苦笑)。でも(マディの所属したブルーズの名門)「チェス」レーベルのTシャツ着た人がいたりと、コアさは感じた。
バンドが2曲演奏したところで(黒人のほうはギターがB.B.の影響をモロ受けで一生懸命スクィーズしてたのがおもろかった)、「スーパーハープ」の別名を持つ御大が登場。丸っこい。まるで風船のようだ(爆)。椅子に腰掛け、横のテーブルの上に綺麗に並べられたハープから1つ取って吹き始める。元気と威勢はないが、心地いい響きが会場に。ただバックに比べると音圧が低いのは楽器の特性ゆえか?
現在の彼はヴォーカルを取らない。今回のパーソネルにもharmonicaとあるだけで、Vo.は二人のギタリストが取ってた。その彼が会場に声をかける。。。。しわがれすぎて全然聞き取れません(汗)。これじゃ唄えないわな。
この人は80年代にはかなりファンキーなステージも展開してきた人のようだが、セットリストは王道のブルーズといったところで攻めてた。
演奏途中ベースに何度も何かささやく。そのベースは袖に歩み寄ってスタッフになんか指示してるんだが、特に何も起こらない。段々イライラしてるのが目に見えてきて、ちょっとした緊張感が走る。御大はしびれを切らして、白人の方のギタリストに向かって「お前のマイク貸せや」ってゼスチャで取ってこさせ、使ってたのと交換。したら、今までと全然音が変って活き活きな一音一音が耳に入ってきた!こんなにも変わるものなんだね。本人もちょっとご機嫌になったのがやはり目に見えて判る(爆)。交換したマイクを自分のスタンドに戻そうとしてスタンドコケさせてやっとスタッフが応対。なんか手際の悪さを感じた。
まぁ正直言って知ってる曲は1曲だけだったんだが、その"Got Mojo Workin'"では当たり前のように行われる観客との掛け合いが実に楽しかった。あと(ポール・バターフィールドで有名な)"Born In Chicago"なんかも昔のレパートリーだったんだから聴きたかった気がする。マディの曲ももっと。
ステージ後、始まった際にはキレイに並べられてたハープ達が(途中キーが違うのをとっかえひっかえしながらの熱演だったので)散乱してるのを見て、散らかしたおもちゃ箱みたいでなんか微笑ましかった。なんかわがままやんちゃ坊主がそのままジジィになったみたいな人なんだなぁってw
アルバム2枚分しか予習して行かなかったので、まぁ100%楽しんだというわけにはいかなかったが、1ドリンク付き6500円なら十分に満足できたライヴだった。体調考えてジンジャ・エールでしたが(爆)。
こういう「時代の生き証人」をさりげなく呼んでくれるのはありがたいとも思った。そこで、普段書かないアンケートの「呼んでほしいアーティスト」欄に、あるミュージシャンの名前を書いて投函しといた。B.B.でもなく、もちろんカヴァでもない(爆)。極少ファンの声が少しでも届けば。。。今後をちょっと期待していたいw
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