Good Times Bad Times, But...

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Whitesnake / Good To Be Bad
1CD (国内盤) / 2CD (EU盤Ltd.Edition) / 1CD(EU盤Std. Edition) / 2LP (輸入盤)

今回はやけに縦長なジャケットだね。。。って、アンタ!!!(苦笑)


前作となるソロ・アルバム「イントゥ・ザ・ライト」から8年、ホワイトスネイクとしては「レストレス・ハート」以来11年ぶりとなるスタジオ・アルバム新作。
まずはプロモで全曲視聴が行われた際のインスパイアの続きとして、1曲づつを紐解いていきたい。

1. Best Years
すげー、鳥肌立ってきた!なんちゅー貫禄充分なオープニングだこと!
まさに、「誰か助けておくれ!」って叫びたい(爆)。さっきからもう10回近く聴いてるw

「闇から抜けて光の中へ...
 今が俺の人生で最高の時間(とき)」
 
この1か月の俺の心情をマジ重ね合わせて涙したいぞ(苦笑)。

人生に常に付きまとう「迷い」との葛藤と克服を曲に託すことがカヴァのライフ・ワークなわけで、前作の"River Song", 前々作の"Don't Fade Away"と1曲目に持ってくるのもおなじみになったが、8年の歳月を経て、今回彼がこんな宣言をするに至った現在のホワイトスネイクで得ている満足感が、その強靭さとともにこの1曲に入魂されてるよ。

カヴァはブルーズ・ミュージシャンとして持てるヴォキャブラリでの再構築を奇をてらわずやってのける人がゆえに、crossfire とか trouble とか lonely nights とか織り交ぜられるとゾクゾクしちゃうよね。

ゲイリー・ムーアのプレイを念頭に置いて書かれた"River Song"に対する、ダグ・アルドリッチのアンサー・ソングとも言えまいか?
「たいへんよくできました」てゆーか、できすぎ。

曲はカヴァ主導のメロディ・ラインで、まぁ"Crying In The Rain"のソロをまだ引きづってる感もありだが(だからトミーやエインズレー・タイプのドラムでなくて正解だった)、ダグの才能が限界近くまで引き出されてる。これ以上のことは彼に要求しても絶対できない、ってくらいw この一枚で華々しく散っても本望!ってくらいの意気込みだってのは伝わってくる。
コンビを組んで6年、このクオリティ・このレベルを発揮できるようになるまで彼を調教し続けて熟成を待っていたカヴァの忍耐強さも凄いですわ(爆)。まさに最強チューン。


2. Can You Hear The Wind Blow
なんじゃ!コレは?汗

お~ば~ざ、まうんてん~♪ オジーかと思ったよ。
2番では らいく・ざ・れいんぼ~♪ だしw
平凡な出だしでも"Cross The Sea"って続くと、ああ、やっぱカヴァの美学!って妙に納得(意味不明)。しかも、2番でsea と see 掛けてるよねぇ。

無理のない発声が心地いい。このディープが誰にもたまらんでしょー。
ちびって濡らすなよw

「おまえとこれからの人生を過ごすのが俺のすべて。
 たとえ二人に風が吹きすさぼうとも」

その風は、追い風なのか?向かい風なのか?
わからないけど、しっかりと舵を握って進んでいく愛の力強さだわね。
俺にはこれが足りなかった(爆)。


3. Call On Me
いかにもダグらしい曲だね。このグルーヴって好きなんだわぁ。単純にカッコイイ。

B!で完膚無きまでに酷評されたバッド・ムーン・ライジングのセカンド「ブラッド」。
俺はアレ大好きなんだけど、1曲目の"Dangerous Game"を彷彿させる。
(あれ?"Blood On The Streets"かな?もうしばらくウチ帰ってないので確認できん、苦笑)。。。てゆーか、ラスト同じやん!(爆)。
前田の評価が知りたいとこ。これがWSらしい曲なんて言うんだったら耳がイカレてるよなw

内容的には"Still Of The Night"に通じるエロエロ・ソングだねw

 「お前を追い詰めてまでしても俺のものにしてやる」...

この執着も今の俺にはない。精進しないと!(てか、そこまでやったらストーカーやん、猛爆)


4. All I Want All I Need
やっぱりバーニング・レインの"Cherie Don't Break My Heart "ぽかったですな。
悔しいけど(何で?w)、ダグ渾身の曲だね。
カヴァがこういう単調でありきたりなストレートな歌詞を書くのは"Is This Love"以来のような気がするけど、「このタイプの曲」を奇をてらうことなく熱唱していて素晴らしい。
歌いやすさを重視かな?ライヴではリフレインをアカペラでこっちに歌わせそうな予感。

頬に伝わる涙ひとすじ。。。今日は想い出に浸らせておくれ(苦笑)。


5. Good To Be Bad
ジャンジャンジャン!「はぁ~」
ジャンジャンジャン!「はぁ~」
全世界数億の女性の下半身を濡らす「ブレス(吐息)」の復活だ!
(って、全然再現になってない、汗)

カッコええ!!!!「レストレス」もそうだったけど、フックのあるタイトル・チューンで、少しシャッフル入ってるグルーヴ感がたまんない。

し、し、しかも、トゥ・ザ・ボ~ンだとよ!!!(爆)

もちろん"Slow An' Easy"からのフレーズだが、ブルーズ・ミュージシャンゆえ、歌詞を再構築するお遊びが大好きなカヴァのこと、気合入ってます。
burn と learn、mind と find、hot と got と韻の踏み方もお手の物。
内容も"Slow An'..."に通じるところはある。お得意の「チョイワル」ソング。


6. All For Love
ダグが得意とするメロディアス・ロック路線のファスト・チューンかも。、
ホワイトスネイクらしくないとも言えるけど、カヴァによる、メロディから浮遊させたような早口調な歌の乗せ方で一層スリリングなものにしている。
彼のベテランとしての意地が見え隠れする力作。


7.Summer Rain
前作のソロに入っていてもおかしくない、カヴァらしい曲。ホワイトスネイク結成前の2枚のアルバムの"Peace Loving Man"とかにも通じる「優しさ」を感じさせるわ。
ツアー中にふと感じる、家族への想い。。。そんなイメージを彷彿させる。


8. Lay Down You Love
ゴスペル調のアカペラが、3方から聞こえて囲まれてるようで、まさに蛇に睨まれた蛙状態っす(笑)。ボン・ジョヴィの"Lay Your Hands On Me"っぽいメロディ展開がちょっと気になるんだけど、まぁあれもゴスペルだからいいか?w
明るい感じがライヴで生えそうな曲ではある。


9. A Fool In Love
参った。。。(号泣) OPに続く、俺にとってのキラー・チューンだわ。
ブルーズの歌詞をそこらから拾い集めてきただけで、こんな秀逸な曲を構築できるなんて。こんなことを簡単にやってのけてしまうカヴァの見識の広さに脱毛しちゃお!もとい脱帽しちゃう。 


10. Got what You Need
「レストレス」のボーナス・トラックかBサイドに入ってそうなファスト・チューンだね。
完成度は高い。ライヴでバック陣が楽しそうにプレイできそうな曲。そういった意味では"Take Me With You"あたりに通じる曲かも。


11. 'Til The End Of Time
ラストを飾るアコースティック・バラッド。「カム・アン・ゲット・イット」の名曲"'Til The Day I Die"と第3期パープルの"Sail Away"のメロをミックスしたようで、"Soldier Of..."みたいな熱唱型でなく、意外にさらっと歌いこなしてる印象を受けますが。ライヴ向けではないかも。でもアルバムの最初と最後を重厚なものにするという意味でベストなポジションの「然るべき曲」。

 




 


4曲目まで聴き進めていくうちに、アルバムの全体像が見えてきた。

「このタイプの曲」と書いたのは言うまでもなく「メロディアス・ロック」である。

なんか、ドイツのSPVからでなくてイタリアのフロンティアーズからリリースされたほうがふさわしかったと思えるような作品に思えた。80年代活躍して堕ちた(失礼)バンドを一手に引き受けているあのレーベルの作品を、俺、集めてるんじゃないか?ってくらいよく買うんだけどw 今回のカヴァの立ち回り方が、あのレーベルでのジェフ・スコット・ソートにダブって見えたからかもしれない。

良く言えば「その手のジャンルが好きな人の心をつかみやすい」
悪く言えば「凡庸。当たり障りのない、ワクワクしないサウンド」

70年代から活躍して「クラシック・ロック」のジャンルに入るべきこのバンドが「やるべき」音楽なのか?オールド・ファンを称する人達・「ホワイトスネイク」というブランドに自分の確固たるイメージを持ってる人達の中で議論になるだろうし、好き嫌いもはっきりわかれると思う。俺も多分、このアルバムのサポート・ツアーが終わったら、多分聞き返すことがないかもと思ってる。まだ通しで1回しか歌ってないので断言はしないけど、実際後半のインプレッションがだれ気味になってるのは否めない(苦笑)。

ただ。。。

80年代後半からのホワイトスネイクは、いつも未知の領域に対する「挑戦」を試みてきた。全世界を視野に入れた成功で財を手に入れたいという欲望と、音楽的な変化に対する欲望の両方を満たすために。

「1987」でオールド・ファッションドを捨てヘヴィー・メタルを。
「スリップ・オブ・ザ・タン」でゴージャスなLA風メタルを。
「レストレス・ハート」でアダルト・コンテンポラリーなブルーズを。

常に人に誤解される危険を孕みながらも果敢に挑んできた軌跡は周知のとおり。そこに今回のメロディアス・ロックが加わることに、なんの異議がある?

カヴァは常に「ブラザー、パートナー」と呼んでコラボする相手の才能を最大限に引き出すことに終始してきた人でもある。その結果でもあるといえる。サイクシー、アジャ、そしてダグ。彼らの個性を楽曲に反映させて、カヴァがベテランとしてのエッセンスを加えて味を整える。
そういう調理法を繰り返してきたのは「白蛇ゆえに、自らをどんな色にも染めることができる」強みだとも思う。後追いファンとして、それがこのバンド、ていうかプロジェクトを通じて一貫したカヴァの哲学・美学だと信じてる。

まぁ、数年後に「あれは間違いだった」って言い訳するのはいつものことだし(爆)、どうせ来日すればなんやかんや言いつつ行くんだろう。
今はこの作品で生じる「波」(風か?)に身を任せて、楽しんじゃた者勝ちだと思う。俺は楽しんでいる。楽しむことにする。

恐れないで前進していく、てのは言うが易し行うは難し、なんだよ。
(SPVいわく)偉大なる最後のロック・ヒーローの帰還に「カンパイ!」。

えっと、ボーナス・トラックについでですが。

国内盤の2曲はあんまし。。。
SPVのリミテッドの"All I Want All I Need"(シングル・エデット)はメチャイイ!
単純に尺詰めただけでないところがGoodかも。

偶然かもしれないが、人生の節目節目にあたって、いつも新作を届けてくれて勇気を与え続けてくれるありがたい存在。

コメント(3)

100点満点で、何点でしょうか?

あーあーあー・・・今回購入分は本当にこれで全部ですか?(笑)

1曲目のGソロ、確かにいろんなところでCrying~のソロと似ていますなぁ(苦笑)。

ベターくん

100点あげちゃうのはイージー?
だって、カヴァには非を打つところは全然ないから!(爆)

まさくん

いや、全部じゃないんだ。自宅に開封したのが1枚、タワードットコムの未着なのが1枚、ソニックくんとこで知った仕様違いの米盤が2枚明日着…
でもちょうどいい感じで撮れて嬉しかったよ!!(オイオイ、それが目的かよ!)

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ここが静かな時は
ここで暴れてるか
鑑賞中です♪

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このページは、kino1989が2008年4月27日 19:30に書いたブログ記事です。

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