だから私はブルースを歌う。

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2001/05/20 (日) 00:48

 ウリ行く途中に甲州街道沿いに新しく出来たヴァージンを見っけたので帰りに寄る。

 いつも思ってたのだが、渋谷タワーを除くと外資系店って必ずどっかのビルのテナント
じゃない?実際英国なんかで店を見てるとなんか味気ない気がしてた。それにくらべると
この新しい店は単体ビルでその赤いシンボルを配した堂々とした面構えでかっこいい。

 ここでウリのエレクトリックサン時代の1枚とスコピのアコギとシングル数枚、BBの
自伝本、昨日買えなかった「ネヴァーセイネヴァーアゲイン」をGET。

ちょっと遠いけど(ひょっとすると以前のOIOIよりも遠いか?)珠に寄るにはいいかも
しんない。まぁ安さと近さでいったらやっぱ俺の根城はタワーだね、やっぱ。

2001/05/21 (月) 00:11

 PRT聴きながら飲んだ「まろ茶」のおかげで眠れずそのまま夜を明かす。この汗ばむ
日差しの中、途中2時間ほど昼寝をとったが、15時間かけて昨日買ったB.B.キングの
自叙伝を完読。

 日本語タイトルは彼の代表曲"Why I Sing The Blues"の訳で一般層にとっつきやすく
しているが、本題は"BLUES ALL AROUND ME"。本文中からそうだと思われる適切な訳としては
「ブルーズってやつはそこらじゅうに転がっている」がふさわしいだろう。

 70歳を迎えた5年前の作で、自分が語る自伝形式になってはいるものの、共著の
デイヴィッド・リッツが膨大な月日をかけてステージの合間に取ったインタヴューを元に
書いたもののようだ。当たり前。いくら彼とて、年間330日はロードに出てるのだから
暇ないだろう。だが、まるで彼自身が子へ、孫へ語るように書かれた文体は生々しく、
ちょうどB.B.を自分の爺ちゃんにしたいと慕っている俺にとっては、彼の様々な
エピソードを語られているかのようだった。

 300ページにわたる全文のうち、100ページ近くをデヴュー前の生い立ちについて
裂いていることからも、この著が初めて彼自身の口から語られる生々しい史実だということは
想像に難くない。

 冒頭からいきなり6歳での初体験がリアルに描写され(「小さな恋のメロディ」真っ青)、
常にセックスへの欲望が強かったこと、ギャンブルとドラッグ、なんと50歳にして包茎手術
を受けたことまで暴露している。うーん、飯島愛の「プラトニック・セックス」も足元に
及ばんよ。また彼の両親、家族との関わり、人生の師との出会い、音楽で生計を立てる前の
綿積み小作人時代、兵役...と知られざるエピソードが満載されていてグイグイとひきつける。

 彼が歩んできた道、それはブルーズの歴史でもあることは言うまでもない。同時に、彼が
体験して感じてきたことひとつひとつを今も胸に刻んで人生の訓としていること。読み進めて
いくうちに、俺なりが彼から発散されるオーラから感じ取れていたいろいろなことがほぼ完璧
に理解できていることがちょっぴり嬉しくなった(自惚れ)。だから俺もブルースを歌うんだ。
俺の苦労も苦悩も彼に比べたらまだまだお使いで迷う子供のようなものなのだわ。

 去年の夏の、「わが人生の師」ディヴィド・カヴァデールと交わした会話が思い出される。
正直な気持ちをさらけ出すことを恐れない彼もまた完璧にブルーズというものの意味を理解
している人の一人である。

 音楽によって結ばれた運命共同体的感覚もまたブルーズの持つ大きな力だ。多くの人が
共感できる生き方がそこに詰まっている。語り継がれていくべき大事なライム。このつながり
が途絶えてしまった時の恐怖を俺が感じているのはこれまで話したこともあるが、当の御大は
その著の最後で「ブルーズは決して死なない」と宣言する。この人もまた滅法前向きなのだ。
真の男である。

 ブルーズブラザーズはいいこと言ったぜ。「ブルーズは絆」だと。

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