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2001/05/24 (木) 12:43

 ルーク・モーリー、ツアレポである。

 昨日大阪へ向かうためにマンションを出て階段を降りようとしたら足に激痛。おととい
朝からちょっと左膝の裏あたりが痛かったんだが、気にするほどのことはなく、その日の
某病院での仕事を終えた。5FからB2Fの各マシンのメンテで階段の上り下りは結構
したからな。多分そいつのせい。階段下りきって死ぬかと思った(涙)。面白いことに
歩いていてもそんなに痛くない(若干伸ばし足しながらなら)。足を曲げる階段がもう
激痛の嵐嵐。

 階段下りきって正直医者に向かおうとも思ったが、時間的に余裕なし。さてどうする?
そもそも大阪まで行くことを決めたのは2週間前で元々行くつもりもなかったんだから...
さぁここ数回続いている「ライブ行くのかったるい」症候群が出るか?まぁ今回は
「かったるい」ではなく「身体的に無理そう」だとの違いがある。

 だが、次の瞬間、全ての邪念を振り切って駅に向かおうと行動する自分がいた。武蔵境
から東京駅までは45分もあれば十分なんだが、大事を見て1時間後の新幹線を予約。
向こう着いてからもギリチョンで厳しいような状況である。

 何とか東京駅に着いて新幹線に乗り発射を待ちながらぼぉっと窓の外を眺めながら...

 「何でここまで無理してまで行くんだろう?ここまで無理するのは94年のWS仙台
(この時はおろしたての靴のせいで豆がつぶれてやはり歩行困難に)以来だけど、これまで
だって風邪で行かないとかって結構あるし」

 そして思いついたひとつの言葉が、この「絆」なのである。

 6年前にはじめたTHUNDERのページ。本人たちも知っているであろう95年のレビュー
(09/01)でこう俺は綴った。

 "Lovely THUNDER. We are always, anywhere, forever, together"...

 その後バンドが我々の期待を裏切って解散したのは周知だ。無論それが「裏切り」でない
ことも。だから去年のファイナルは全身全霊を傾けて花道を作ってあげた。男に二言はあって
はならないこともこの当時リアルで実感してたこともある。

 俺は...95年から新しいバンド、音楽との出逢いをしていない。それまでに知り合った
バンドを応援していき続けるので十分だからだ(ってゆーか手一杯。爆)。関わったバンドは
とことん愛しぬくのが信条。それはバンドがなくなったとしても変わりはない。口では去年の
ベストライブで「評価以前の問題。ないバンドを評価してもしょうがない」と言ってでもだ。

 それはプライベートでも同じで、かつて愛した人と泥沼の関係になろうが相手を憎んだままで
いたことはない(そんな数的に経験があるわけではないからともいえる。苦笑)。相手が
どうやって生活しているか、幸せでいてくれるだろうかを時々思い起こす。心配にもなって
落ち込むことさえある。

 それができるのも「出逢ったこと自体が『運命』である」と信じているからかもしれない。
音楽だって人だって、自分に必要なもの、自分を必要としている物との邂逅は必然的に巡って
きているからだと思う。それが遅いか早いかだけだ。だからTHUNDERについても、その
バンドを構成するメンバーとも自分の中では目に見えない力が働いてるから6年前に出会った
のだと思う。デビューの11年前でわなく。

 「赤い糸で結ばれている。それが絆」

 匂うか?クサすぎるか?(爆)人から見ればそれでもいい。俺にはそれが感じたままだ。
激痛を伴ってでも進む力なんだ。

 新幹線ははやる気持ちを乗せて目的地へ。

 うーむ、こんな体調なのになんばなんかに宿取るんじゃなかった。元気だったらブート屋
回る予定だったから。ホテルへ着いても休むまもなく会場のある梅田へ戻る。15分前に着。

 会場見渡すや、客の入りが....PRTでも東京初日が激売れていなくて「ファンって冷たい
よな。THUNDERは大入りでLUKEが閑古鳥とはいかがなものか?」と言っていたけど、
ここ大阪でも苦戦だ。チッタの半分もないフロアには3-4列の層しか出来ていない。いつもの
お仲間内と少し談笑後、発泡酒を一気して当然右サイドへ陣取る。

 やがて暗転。当然テーマもなくメンバー登場。そしてゆったりとしたペースの"Quiet Life"で
ショウはスタートする。

 そうだ、その前に、書くつもりで書いてなかった"Wl Gringo Retro"の感想を述べねばなるまい。
以前にも書いたが、俺にとってルーク・モーリーという人物はTHUNDERを構成する一要員
であって、決して思い入れのある人物ではない。唄がうまいというわけでもなくギターも...

 楽曲にしたって、THUNDERとして演奏するからこそ強力になりうるのであって、
ソングライティングのみの魅力ではいろいろな意味での「甘さ」が俺の思い入れにブレーキを
掛けるのは否めない。本アルバムも初回はそんな思いで聴いた。彼がTHUNDERという名の
もとではできなかった、パーソナルで、かつラテンな感覚が詰まったアルバム。

 イギリス人のバカンスといえばスペインである(笑)。「スペインを一度見てから死ね」と
いうことわざがあるくらいだ(ホントかよ)。本作もそのスペインでアンディ・テイラーと
コンビで書いた曲を含んだシングル"Spanish Session"を下敷きにしたといってもよい。
その中に"Sacred Cow","Face In A Crowd"といった小憎らしい、「おい、本来お前が歌うべき
ぢゃなかっただろうに!!(怒)」と思わせる後期THUNDERタイプの曲やロックン
ロールをちりばめてある。ともかくパンチのある楽曲ではないから14曲も詰め込まれた日にゃ、
ある種の期待を寄せていた人には退屈だろうとも捉えられかねない。俺もその一人かもしれない。
2-3回聴いて暫く間を置いたのは事実である。

 ところがだ、2-3週経って改めて聴き返すと、やけに自分に馴染んでいることに気づいた。
さらに注意深く聴いていると、一見シンプルそうでいて実は非常に多くのトラックが重ねられて
いることに気づいた。細かい部分が折り編みあげられて大きな相乗効果をなす。とにかく凝り性
ともいうくらい、THUNDERというバンドを通して培われてきたプロデュース力がここに
十二分に発揮されているのに気づいて以降、60回ばかりは聴いているはずだが全然飽きない。
「よほどの作品が出てこないかぎり多分今年No.1の傑作」となったのである。

 残念ながらその緻密さをライブで再現することは不可能だった。THUNDER-1+コーラス
姉ちゃん二人という大所帯であっても何せルークは一人なのであるからして。

 ルークは唄に専念するためにアコギでリズムを持つことが多く、ほとんどのリードを友人の
トニーマイヤーに任せていた。彼とて普段は学校の用務員してる人だからその腕に期待は出来ない。
ステージ馴れしてないからベースのクリスが最初そうだったように後ろにひっこみがちで黙って
弾くだけ。人はとってもよさそうなんだけどさ。ルークとてフロントマンとしてパッと客を
沸かせるタイプの人ぢゃないから会場がシーンとすること絶えない。偉大なるエンターテイナー
だったダニーボウズよろしく"Excellent!!","Marverus!"を連呼しようとも。

 で、俺だけだったみたいなんだけど、曲はどうあれやっぱり核になってたのはTHUNDERの
バンドとしてのサウンドだったと思うんだよね。いつものハリーの正確なドラムとクリスのうねる
ベースがあって、ベンの素晴らしいピアノがあってタイトに決まってはいたと思う。

 気持ち的に複雑な感情が交じり合ってるだけで別に否定してるわけでも苦言を呈しているだけと
いうことでもないんだよ。現に演ってる側は楽しそうだったし、真剣だったから。彼らほどの
アーティストにどうこう言う筋合いは全然ないわけで、これで1公演6000円なら安いもんだ。
それがコアファンなら誰でも多分に持ち合わせていただろう正直な気持ちで、実際今回も終演後に
元ファンクラブ限定のミート&グリートはあったけど何を話していいかわからないと皆言ってた。

 何よりも彼らがやっていることに非は一切ないし、筋が通っていると思う。「THUNDERの
時同様、やりたいことをやっているだけ」客側にそれが理解出来たかがポイントだったのではないか
と思うんよ。

 結局THUNDERからは"ALL I Ever Wanted"というレアな1曲のみだったが、それは正解
だったし聴きたいとも思わなかった。ただカバーに関しては知らない曲よりも例えば96年の
五反田ダニーぶっ倒れ事件の時に唄った"I Hear You Knocking"とかは演ってもよかったとは思う。
まぁ、セットリストの統一感を損なわないような範囲ではあったと思う。もともと彼らには
何でもありだから。初日大阪が終わった後にはやはり爽快感だけは感じたし、今回は苦痛を
こらえての参戦、しかもグリーンやらタクシーばかり使ったから交通費は通常の倍かかったけど
納得はいくものだった。

 東京へ帰ってきても状況は変わらずで初日はガラガラ、2日目がそこそこ満員だったけど
いいステージを見せてくれたとは思う。2日目にはとうとうTHUNDERの曲はなしにして
しまったけど代わりに彼がサポートを勤めたパワーステーション以来の"Get It On"
(Dirty Loveの原曲だわな。笑)なんかも聴けて終始ハッピーではいられた。

 要は人柄かな。ちょっぴりカッコつけなくせにそれでいてちょっぴり恥ずかしがり屋な
ルークそのものが出ていたステージだった。それが音でなく人で音楽を聴く俺にとっては
興味深かったし、絆を感じさせるに充分な3日間だった。

 彼の今後?心配する必要はないんぢゃない?彼の好きなように任せようぢゃないか。

Setlists on May 23 Osaka 24,25 Tokyo

Quiet Life
This World
The First Day
Go With The Flow
This Letter
One Drop
Road To Paradise
Sacred Cow
Can't Stop The Rain
All I Ever Wanted (5/25はなし)
Wasted Of Time
Love Will Find Away

Encore
A Face In The Crowd (5/23のみ)
Lady Mermarade
Cover song (5/23はなし)
Cover Song / Ann & Tara McDonald (5/25のみ)
Get It On (5/25のみ)
Cover Song / Luke, Ann & Tara

...ってこれじゃアンコールがどうだったか全然わかんねぇじゃん(爆)
追って調べるよ

 おっと忘れるとこだった。コーラスの二人の姉ちゃん、色っぽかったよぉ。二人とも
ヘソ出しで、特にタラの衣装はでかいスカーフを前から羽織って後ろで止めてるような
ヤツだったから腰のくびれがくっきり刺激的で、思わず舌這わせたくな...

(以降自粛させていただきます)

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ここで暴れてるか
鑑賞中です♪

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このページは、kino1989が2001年5月24日 22:29に書いたブログ記事です。

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