カ・リ・ス・マ

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2000/11/10 (金)

 スラッシュズ・スネイクピットのライブから帰って来たところ。
想像以上に凄かった!!!そのせいでチケットが
取れれば来週急遽名古屋・大阪を追っかけるつもり
になってる(爆。途中徹夜仕事)

 いや、そもそもこの夏のPRTで毎週流されて、「あぁ、いいな」とは思ったものの
例のCovの件も含めて「浮気は控え」モード、いや「それどころぢゃない」モード(笑)
だったから、"Into The Light"より1週前に発売された"Ain't Life Grand"も一聴した
だけだった。ただ「あ、このヴォーカルでならライブ観ても凄いかもしれない」と思って
確か2-3日後の先行で今日と明日分は押さえた。

 数ヶ月を経て...メイデンが終ってからのこの10日で予習。日に日に「凄いヴォーカリスト
とソウルメイトを得て活き活きしたスラッシュの融合が織り成す傑作」との評価が高まる。
しかもこのアルバム以外は何も情報を持たないまま、会場に向かうことになった。メンバーの
パーソナルは勿論、名前すら知らないし、前作は持ってたものの結局聴かなかった。ボーカル
の力量が雲泥の差(というか「クズ」)で聞くに堪えられなかったから(爆)。

 「この前のメイデン同様、この「元ガンズ」である男がメインの公演も大入りだろう」との
予想に反して、通常はBブロックであるエリアまでをAブロックとするくらいにスカスカの
状態だった。なにせ開演15分前着の「ゆりかもめ」から降りてZEPPへ向かっているのが
俺一人という。一瞬、日付か会場を間違えたのでわと焦った(苦笑)。

 予定を10分すぎた頃に客電が落ち、ガンズの時同様MCでショウが始まる....
メンバーが次々と持ち場についた時、目が点になった。
ヴォーカルの髪はドレッドで、肌はスラッシュ同様に黒かった。
つまりあの淫靡なジャケットの真ん中でグラサンかけてる「たらこ唇の黒人」がヴォーカル
だったのである。俺はてっきりスラッシュのすぐ横で仲良さそうに肩を並べてる白人だと
ばかり思ってたのである。先入観とは恐ろしい(失笑)。まさに唖然としてポカンと口が
空いたままの状態。しかしこれで「有色人種優位主義」の俺が、一聴しただけだというのに
自分のハートを虜にした最大の理由が解けたわけだ。納得。

 ショウはこの男-ロッド・ジャクソン-の、まさに絶叫に近い並々ならぬ声量を最大限に
活かした「グルーヴのある曲」で綴られていく。しかもこれまで殆ど無名だった男ながら
フロントマンとしての威厳を備えているのに圧巻。はやくも2曲目で上半身裸となり、
スマートな黒人特有の美しい肉体美を曝け出しながら、客を煽っていく。スラッシュが
(ギターワーク以外では)その影を薄めてしまうくらいだ。

 PRTを含め、大方は「新作と前作から半々、そしてガンズを2・3、残りはカバー」
という構成を予想していた。あの「初来NHKホール45分でおしまい」事件を体験して
いる俺としては(苦笑)、「くだらない前作やカバーをプレイするよりはいっそ新作全曲
演って1時間程度で終るのも面白いな」と往きの電車の中で考えてたが....それが現実の
ものとなるとも思わなかった。ボーナス・トラックまでを含めた全曲、そしてガンズ2曲
という1時間15分程度。リハーサルの暇がなかったか?いや、違う。「過去は過去」と
割り切り、現在の彼らがそのバンドとしての個性を最大限に発揮できるショウが目論まれ
たのだ。いやぁ衝撃的すぎる。女性ラップの入った"Mean Bone"、子供のボーカルが印象的
な"Serial Killer"、ロックン・ロールのショウとしてはそぐわないのでは?と思われた
(Covの新作でハーモニカをプレイしているジミー・Zによるホーンが絡む)ジャジー
なタイトル曲までもがバンド・サウンドとして再現され、単調にアグレッシブな曲を並べる
ことなく、ステージをより表情豊かなものとしている。ガンズの曲もアクセルの低音部が
映えている曲をチョイスして自分たちバンドのものとしている。やっぱタダモノでは
ありませんよ、コイツら。

 今日の俺は騒ぐ立場になれなかった。あまりに全てが予想だにしない出来事ばかりで
戸惑い、唄うこともできず脚でリズムを取るのが盛一杯だった...それなりに汗をかいた
ので着替えて帰宅の途に着いた。

 この秋一番の寒さの中だったが、帰りつくと着替えたTシャツもかなり湿っているのに
気づく。「まざまざと見せつけられた熱いもの」のせいで心と体の中に火がつけられた
ような感覚に陥った....

2000/11/11 (土)

 寝る前にあれこれ考えていて、そういえばちょうど去年の今頃、THUNDERの解散劇
に仰天して英国への旅の手配をしてたことを思い出す。あいかわらず衝動的な自分がカワイイ
(爆)。

 横浜ベイホール。なんちゅう遠く殺風景でわかりにくい所にあるんじゃ?迷って道訊いて
しまった。おまけにロッカーもほとんどない。あんなとこ、二度と行きたくないわ!
手荷物持ってフロア席を陣取るほど非常識でもなく、泣く泣く中段のスペースへ。ホントは
前の方に斬りこんで行きたかったのによぅ。

 そのフロアも超満員。歓声と挙がるこぶしが凄い。昨日とノリが違う。おかげで今日は
昨日より終演が25分も遅かった。もっとも演奏が長かったのではなく、3曲目が終った
ところでフロア最前の柵が壊れてライブが中断したためだった。上から見てても満杯の
フロアの客にいくらスラッシュが日本語で「サガッテクダサイ」と指示しても下がれない
状況で柵の修復は困難を極め、観てるこっちの熱気もさめる。また壊れれば中止もありうる
のでハラハラ。その間、サイフの落し物があるとステージ上で告げられる。「この時間を
利用して他に落し物はありませんか?」と問い掛けられると小銭入れやら腰に巻いただろう
トレーナー、あげくには靴が次々...ってそりゃねぇだろうが!!「パンクのライブじゃ
ないんだから」とかわすスタッフはさすがヨシモトライブミュージックエージェンシーと
いったところか?(苦笑)しまいには「修復しましたがあくまで仮です。また壊れる可能性
もあって危険です、クギもでてるし...」

 スラッシュがスタッフに訳させながら観客にエールを送ってライブ再開。それ以降も終始
ロッドが煽るから結局変わんないじゃん(爆)。今日は右サイドだったのでスラッシュも
ロッドもよく観える。しかも昨日にもましてよく唄えてる。というかシャウトだけでない
細かい声の表情がよく捉えられた。アルバムでみせた豊かな感情性といい、やはり生まれ
ながらの素晴らしい素質を持った男は凄いの一言に尽きる。そういえばSKINのネヴィル
・マクドナルドのことを少し想い出した。95年鈍言のどこかに書いてあるはずだが、
ライブ映像を見て一発で気に入ったネヴィルに俺が求めていたものを、このロッドという
男はすべて持っているというわけだ。再び納得。今話題の「チャーリーズ・エンジェル」
ではないが「ぜひ貴方に見ていただきたいのです」っていったところか?この面子が続けば
の話だが...

2000/11/15 (水)

 出張ついでの月曜の名古屋は泣く泣く諦める。というかもう5分早く会議が終わって
いてくれたら行けたのに(苦笑)。

 で、大阪である。なんば千日前に新しくできたマザー・ホールは2000人収容の比較
的大きなライブハウスだった。来月にはじゃぱめたバンドのフェスティバルがあるらしい。
ロッカーも完備で新しいし、特に非のない「よいライブハウス」である。しかし、大阪の
ライブハウスってのはなんでどこも入場時に別途ドリンク代を徴収するというシステム
なのだろう?東京でもなくはないが、外タレではほとんどないよな。もっともそれが悪い
というわけではないが。

 そこは大阪、始まる前からフロアは凄い熱気だ。早くもうねってる(笑)。1名ばかし
「うおうおぅ、うおうおぅ、いえぃいえぃ!」してるし(微笑)。あ、そか。先のシステム
で絶対にアルコールが入るからなのか(爆)。んなこと関係ないって。そういえば思った
のだが、大阪のHRファンは東京のファンより背が高いようや。。。。

 怪獣好きなスラッシュらしいオープニングSE「ゴジラのテーマ」に続いて最初から
全開である。それは客も同様だった。土曜の横浜どころでないぞ、正味な話。もっとも
これが、この80年代を象徴したバンドの元キーパーソンを迎える本来あるべき姿なの
かも。ロッドのアドリブも冴え、スラッシュも情緒豊かなソロで応酬する。彼のプレイ
は常にラフというイメージがつきまといそうだが、回数を重ねて観れば、実に練られて
毎回正確なソロであることは次第に判ってくる。ひとつ訂正。新譜からは1曲プレイ
されず、前アルバムから1曲プレイされていたのに今更ながら気づいた。あの珠玉の
バラッド"The Truth"があったら完璧だったろう。悔やまれるが、ソレでロッドの評価が
マイナスになることは絶対にない。

 いつも"Mr. Brownstone"前に挨拶をするスラッシュは通訳に訳させる。「これまでの
日本ツアーで最高の盛り上がりだぜ」。おいおい横浜の立場わ?(爆)まぁ、そう言わさ
しめるに十分なノリであった。残すは福岡のみとなった彼奴ら。きっと変わらぬステージ
を見せてくれたことだろう。

 スラッシュの横にはカリスマ性を持った男こそ相応しい。 久々に胸をすくフロントマン
に出逢ってハピィな1週間だった。そしてアイツが戻ってくる日も近い...のか?

Setlist

Life's Sweet Drug
Been There Lately
Just Like Anything
Shine
Mean Bone
Serial Killer
Back To The Moment
It's So Easy
Rusted Heroes
Landslide
The Alien
Ain't Life Grand
Mr.Brownstone
Encore
Beggers & Hangers-On
Speed Parade

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ここで暴れてるか
鑑賞中です♪

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このページは、kino1989が2000年11月15日 22:56に書いたブログ記事です。

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