マスターオブパペッツ(中身はSWEP2酷評。爆)

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 SWエピソード2の先々行オールナイトに行って来た。

 行く前に映画館に電話して混んでるって言うから(結構投げやりな対応だったぞ、
吉祥寺東亜会館)23:30頃から並んだ。深夜興行だというのに満員。まぁ本公開
まではイベントだわな。俺みたいに待ちきれないマニアのためにあるお祭りで、ここ
吉祥寺ではコスプレはなかったものの、ちゃんと最初と最後には拍手が起こる、それ
はそれでいつもと違って感動できる空間だった。

 で、ネタバらしするほど野暮ではないので全体的感想。うーん、目が疲れた(爆)。
前から2列目で視野いっぱいに画面が広がって、ドンパチありーの、チャンバラ
ありーの、筋肉番付ありーのだったから。それにルーカス組の技術の粋を極めた世界初
のデジタルカメラで撮られた総天然色デジタル映画(オイオイ)をフィルムという
アナログに落としての上映だったからボヤケて見えたのが逆に目の毒。

 シーンのセッションを短くして畳み掛けるように次々と目が回るようなアクション
を連発させたのがなんか「詰め込みすぎ」って感じがして逆に印象的なシーンに欠けた
感がある。激しいリフの応酬、時にアナキンを軸としたロマンスで間奏は緩くメロディ
アスに、ただしそのタメの時間もほどほどでさらにリフ急速展開。。。メタラーな俺
には表題の曲のようで(もちろん内容にもかけてるんだけどさ)、ついてはいけたんだ
けど、上映終わった後はまさにライブ後の疲労困憊状態。

 確かにルーカスが映画に求める「旧きよきクリフハンガー(連続活劇)映画」の
現代への再現に基づくものなんだろうけど、そりゃ十数年前に「インディ・ジョーンズ」
シリーズでやったわけだし、アレは映画監督としてはルーカスなんかよりずっと
エンターテイメントの極みを知ってるスピルバーグの演出理論のおかげで活きたものに
なったわけで、今回みたいに緻密な設定をゴリ押ししながら観客に「何故?」を連発
させて、142分という時間でリアルタイムに「過去そして未来」までをあれこれ考えさせる
ような作りだと客はともすれば置いていかれかねない。

 逆にあれだけ酷評だった前作のほうが1本の映画としてよっぽど楽しめたし、以前の
レスにも書いたが、全く知らない人に「面白いよ」と薦められる作品だった。今度のは
マニア以外に絶対薦められない。いかに特撮が優れていようが、アナキンの美形度が
女性好みだろうが、理由(わけ)わかんない映画は娯楽映画としてはあるまじきもの
だからして。


一体いつからスターウォーズは
難解な謎解きモノ映画に
なってしまったんだろう?


 そう、そもそもそこが大きな間違いなのである。壮大で緻密な設定を構築したあまり
それを絶えず画面に投影しないことにはいけなくなった今3作が抱え込んでしまった
大問題。

 25年前、俺達がワクワクしてSWにのめりこむようになったのは他のSF映画と
違う質を持っていたからだろう?近未来ではないはるか昔の物語。ドンパチだけでない、
生身と精神をも武器にして戦う世界。端々に「クローン戦争」や「フォース」という
言葉が登場するだけで、それが「ミディなんとかの量がどうのこうの」という説明なし
でもミステリアスなものとして感じられた。それでよかったのだ。すべてを知りたいと
願うわけではなく、残された謎があってしかるべき世界。いや残されているからこそ
輝きを放っているのだ。

 想像の余地がいつのまにかスピンオフ(外伝)でグチャグチャになり(コレは
ルーカスの生んだマーチャンダイズシステムの最大の欠陥)、結局それで生じた矛盾や
曲解を自分で収拾つけなければならなくなったから自分で監督せざるを得なくなって
いるというのが現実なんだろう。そう思うと興ざめしちゃうのである。せっかく
「アナキンとパメラの禁断の愛(ハートマーク)」という設定としては絶好の題材を
持っていながら人間ドラマ(演出)が描ききれてないのである。心の余裕のなさが
作品に露呈している証拠。

 いつも引き合いに出すのはスター・トレックなんだが、一見オタク度がトレッキの
方が上のようでいて、アレは悪く言えば細かい設定を気にせず意外に大雑把でいい加減(爆)。
ただしそれはとどのつまり常に描きたいのが登場人物-人間-そのものだからなのである。
それは原作者ジーン・ロッテンベリーが望んだ遺志であり、その世界観がちゃんと多くの
人に受け継がれて今もなおも広がり続けて機能してる好例なんだが、今のSWを観ていると
是非見習ってほしいと思う、マヂで。

 監督を誰か他の人に任せてられませんか?ジョージ。いいかげん苦し紛れの埋め合わせ
から開放されて俺達が単純にワクワクするような映画を作ってもらえませんか?

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ここが静かな時は
ここで暴れてるか
鑑賞中です♪

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このページは、kino1989が2002年6月29日 22:44に書いたブログ記事です。

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