大好きなヴォーカリストなクセに、ブログになってから一度もレヴューしたことのなかった男、ついに登場。
Jeff Scott Soto / One Night In Madrid
ジェフ・スコット・ソートが昨年スペインで行ったライヴ。フロンティアーズがCD2枚組とDVD単体、国内盤はハピネット・ピクチャーズがコンボで近頃リリースした(来日祈願で一応オーダーしてるけど、オジーやアルカトラスの再発で不評買ってる金儲け主義のビデオ・メーカに招聘力ねーだろーしな、苦笑)。
基本的にはおととしiTunes先行販売・昨年CD化された「ビューティフル・メス」を携えてのツアーなので同アルバムからの曲が多いけど、他のフロンティアーズ・イヤーズ2枚のソロからもまんべんなく選曲されてるし、俺的最強ナンバー前作からの"Drawing"が聴けるだけでも涙ちょちょぎれ。加えて当然タリスマンのナンバーも外せない。タリスマン名義で録音したマドンナのカヴァー"Frozen"までやってる。ちなみにマルセルの死はこの収録の1カ月後。
バックは全員ブラジル人で、ロン毛のイケメン・ギタリストが前任者ハウイ・サイモンのイングヴェイ・タイプとは違ったいい音を出す。キーボード兼サイド・ギターのBJをはじめとしてコーラスがメチャクチャ決まるメンツばっかだし、ソロ・アーティストのバック・バンド以上の演奏力を発揮してる。ジェフもヴォーカルにピアノと、その力量をいかんなく発揮してて素晴らしすぎ。天才だわ。
やはりライヴのハイライトはいつも大合唱が沸き起こる"I'll Be Waiting"だな。タリスマンでのどのライヴ・テイクよりもいいかもw
アンコールは映画「ロック・スター」で吹き替えたスティール・ドラゴン名義の"Stand Up"、続いてクイーンの"We Will Rock You"を導入として同じテンポで徐々に始まる"Play That Funky Music"を軸としたの10分超えのファンキー・メドレー。これが先に前振りでPV紹介した、90年代後半に参加したブギー・ナイツ(騎士のほうね)の「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル・ブギー」アルバムに収録のヴァージョンとほぼ同じ("Walk This Way"を含むのはさらにロックっぽくしたかったからでしょう)。昨日帰宅した際に10年ぶりに聴き返したけど、バンド自体がディスコ・ミュージックのトリビュート・パロディながらも音楽的にはかなりマジなんで最高なんよ。「インスピレーション」アルバムのツアーでインギーに誘われながらも「こっちのほうが食える」という理由でオファーを断っただけのことはあるw これをショウの〆に持ってきたことで、内容の充実ぶりから彼のソロ・キャリアの集大成ともいえる傑作だと断言しておく。生で観てぇよぉ(号泣)。

ハピネット盤、本編には字幕ありだが、ボーナストラックまでは付いてなかったわ。
映像特典はソロ時代の全PVが30分、マルセル・ヤコブの追悼PVが15分、そして"GOOFBALLS"と名付けられた、前ギタリストのハウイがツアー中に撮りためたおバカなホーム・ビデオ集の(前DVD分も含む)完全版が約2時間収録されている。セッション中のJLTや、一緒にツアーしたエリック・マーティン、楽器フェアNAMMに居合わせたミュージシャンらなどがチラっと写ってて、ハウイのおバカ加減といい、なんとも楽しい。
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