自分のために

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今日は会社を夕方出にして映画2本見てきた。

午前:パイレーツ・ロック - The Boat That Rocked -


俺の生まれ歳、1966年のイギリス。BBCがポピュラー音楽を45分しか流さなかった時代に、若者を熱狂させた「海賊放送局」があった。その実話に基づいた映画。


その14年後。東京にFMが2局しかなかった時代に、「RSK」と名乗って実家・世田谷の端暮れで、「狛江市から」と嘘をつきw、常に自由に放送周波数帯を変え(80MHz以下もあれば86MHz以上の時もw)、遥か川崎まで届くような(汗)違法電波で自分の声を飛ばして、電波監理局との追いかけっこをしてた俺(達)が、この映画を素通りすることなんて不可能だよ。事実、80年代後半に合法かつ地域密着型のステーションとともに「ミニFM局」という言葉が定着してくるまで、自分たちのことをそう呼んでたんでなおさら。


「レイディオ・ロック」に乗り込んできた一人の若者を通して、当時のサイケディックな時代を背景に、ひと癖ふた癖あるDJ達との交流が心温まる。一人でやってたのがご近所さんとこに乗り込み、そこで恋が芽生えるちゅー俺の実体験部分にもかなり似てるエピソードがあったしw

彼らを潰そうとする政府の取り締まりによって窮地に陥った彼らが決断した行動にはジーンときてもた。流れる名曲のチョイスも素晴らしい。「青い影」と「"Stay With Me"(ロレイン・エリソンのほうね)」の選曲の妙には特に泣けた。

DJは、人は、伝えたいことがあるかぎり、やりたいようにやるべき。
ネットが全盛になって、よりパーソナルな発信が思いのままになった時代に、「自分の立ち位置」を再確認させてくれるような作品だった。当時の連中は今どうしてるのかなぁ?と思いながら。


午後:アンヴィル! - 夢を諦めきれない男たち -

「スーパー・ロック84」を知ってるメタル・ファンにとって、「アンヴィル」と耳にすれば、「(笑)」と書かずにはいられないw でも別にそれは卑下とかいう意味でなく、がむしゃらだった彼らへの「敬意と愛情」がこめられているに違いない。


メタル一筋30年。ロック・スターになることを夢見て今も走り続けてるバンドの涙と笑いのドキュメンタリー、という触れ込みだったが。。。


全然笑えなかった。

唯一噴いたのは女マネージャが電話でホテル名をアルファベットで伝える時に「ソドムのS!」って叫んで、それじゃ伝わらんだろwと突っ込んだくらい。あと、(俺が観た吉祥寺では)スクリーン両脇に「それっぽい」PAが並び立てられてたけど、実際上映中は音鳴ってねーじゃんってとこかなw

それ以外はリップスとロブの友情、彼らを支える家族を赤裸々映し出した、バンドの至極まともなドキュメンタリーである。

彼らのシチュエーションを「スパイラル・タップ」みたい、って笑って済ませられる人ってのはメタル・ファンじゃない一般人だけで、「一生、いちサポーター」な俺にとっては、涙なくては見られないシーンの連続だったよ。実際ラストは、わかりきってるエンディングなのに、彼らと気持ちが一緒になってとうとう嗚咽しながらその行方を見守っていた(笑)。


これはメタルを聴くすべての人間が素通りしてはいかん作品だと思う。きっと琴線に触れる熱いものを感じるはず!


自分が、こうして日本という国に生まれて、メタルという音楽に出逢えて、そのシーンを支える一員になれた幸運と充実感を、神様に感謝したくなった。

正直言うと今日は、いろいろある会社に対して、発散先のないストレス状態から仕事放棄したくなって半ば「ズル休み」のつもりだった。

でも、2本観終わって、2駅だしウチに帰ればいいものの、まだ働ける!と思って会社に向かうハメにw


人のために働かされてるんじゃない。なにより自分のために、がむしゃらに生きてるんだということを、イカレイカした男達の生きざまに垣間見れて、元気になった

 

 


 


 


 


 


あ、ちなみに劇場ではパンフ(普通のライヴでもプログラムなんて関心持たない俺がw)と、サントラ扱いにされているものの実質「新作」と言っていい「ディス・イズ・サーティーン」を買ってみましたが、映画にも登場するクリス・タンガリーディスのプロデュースでなかなかよい仕上がりです。ちなみに劇中には有名ミュージシャン多数、ブライアン・ロバートソンやトミー・アルドリッヂの姿も見れます。

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このページは、kino1989が2009年10月29日 21:17に書いたブログ記事です。

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