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俺にとって忘れられないWSのライヴ、てかカヴァの姿。

最初は94年、ニューカッスル・シティ・ホールで観た再結成ライヴ。"Ain't No Love"の前のMCで言葉が詰まるカヴァを観た時(後のインタヴューで、2年前に他界した彼のお母さんをいつも招いていた席を仰ぎ見て感情に湧き出てしまったそうだ)。


次が97年フェアウエル・ツアーにおける渋谷公会堂公演。東京最後のライヴで鳴りやまぬ拍手にカヴァが声を震わせて「ドモアリガト」と礼を言った時(礼を言うのはこっちのほうだったのに、笑)。


そして、この日も、一生忘れられないライヴになるだろうとは、正直予想だにしていなかった。


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今日も早めに中野へGO。あそこって駅前に結構広い喫煙場所が2つもあって余裕があれば結構くつろげるんだわな。そもそも代々木からは1本4駅10分もかからんとこなので開演30分前は余裕、プカプカやってたわけです。


そんな中、仲間のツイートで「会場前が凄い人混み!」というのを見かけたんで、どれどれ?と。。。


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ふーん。ポチっと拡大。


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おお、まだ開場して3分だぞ?そういえば今日の公演はソールドアウトとのこと。時間までにうまく掃けるのか?と不安に煽られ、会場前へ急ぐ。


開場からグッズ売り場は当然長蛇の列。まばらだった客席も最後尾まで埋まってゆく。開演前に声かけることになっていた人探しも楽じゃないw ぶっちゃけ、東京の会場がこれだけの人で賑わっているのを見るのは久しぶりだった。


券面だと2列目だったが、ここはゼロ列と記されるオーケストラ・ピット相当の4列があるので(昨日がその最前だった)実質6列目。でも十分に良い席だったと思う。若干レブ寄りだがステージもダグ側まで万遍なく見渡せるし、PAからの音も配分よい。


そしてショウがスタート。今日は本ツアーで初めて黒の「ファッキン」シャツの出で立ちから前半戦突入。今日は曲と曲の間でMCや観客への煽りとかがそれほどなく、意外に淡々と進んでいく。てか4曲目までで切れ目があるのは1か所だけだがw "Is This Love"の前でようやくMC。しかも煽りではなくあくまで紳士的に。

以下の写真はたまたま撮ってくれた二人がほとんど同じ時間(19:23:39-19:27:29)だったので一挙掲載。

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"Is This Love"を聴いてて、今日のカヴァは「歌い込んでいる」という印象を他の日よりも強く受け出したのがこの時あたりからだったかな。


普段は結構自分にきついキーの部分がやってくると、客に振って逃げちゃうという(爆、まぁそのために俺らがいるわけだが♪)。。。でも今日はかなりのふらつきはあるものの、しっかり歌っている。升酒でカンパイ後の"Gambler"はもともと低いけど、続く"Love will"での高いキーも臆せずにだ。


ここで久々に訊くハウリン・ウルフ(もしくはウルフマン・ジャック)風のだみ声でダグとレブを紹介してギター・バトル開始。そして"Steal Heart"までメンバーの熱演が続く。


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今回左寄りの席ばっかだったのでダグの写真がなくてスマンのぉ。俺が唯一撮ったのもこんな。てか文字通り「光ってた」んだよ!


"Steal"を終えると白に着替えてきたカヴァが観客とお戯れ。カルヴァン・クライン仕様の「フォエヴァーモア」シャツを着たファンを自分に似てるとイジったり(え、宣伝?w)、女の子の名前を訊いて「ツイッターの?こんな綺麗なお嬢さんだったとは!」等、意外に東京の会場では今までなかった和やかなお雰囲気に包まれていた気がする。


そして「合唱団たる君たちの曲」と言って"Ain't No Love"がスタート。


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ところが、ここでPAから不快なノイズ。レヴのアコギがトラブルだ。だが、かまわずダグのギター1本で進む。しばらくしてレヴはあきらめたのか?苦笑いしながら手ぶらで再登場(爆)。手拍子を促して普段より大きめのコーラスを始める。この見事な切り返しに左寄りの観客が拍手と喝采を浴びせて一緒に歌い出し、コーラスが大きくなってゆく。俺、レブのこういうところがたまらなく大好きなんだわ。ちゃんとこのバンドのムードメーカーとしての任を果たしている。カヴァも気づいて"No Guitar?"と笑いながらダグにソロをゆだねてちょっと短めにまとめようとする。


そしてフィニッシュ寸前に。。。"I have often told you stories about the way..."
"Soldier Of Fortune"をかます。当然観客狂喜。ただ、俺がこれまで聴いた中では最も不安定なヴォーカル・ラインだったのも確かだった。でも観客の"Of a windmill goin' 'round"での助けも入ってどうにか乗り越える。


続いてダグがつま弾き出したのが本ツアー初の"The Deeper the Love"ときた。少なくとも昨日やらなかったのを知ってればこの曲がここで披露された価値はわかるでしょう。前回はエレクトリックだったからアコでは08年以来。しかもアコながら今回はレコーディング・メンバーだったトミーのドラム入りでだ。それにこっちのほうが観客のコーラスも映える。"Looking over your shoulder"のところ。自分で唄ってて鳥肌立ったよ、 だってバッキング・コーラスよりうまいんだからw
そしてハイライトのアカペラでの告白フレーズ、

「かまわないさ、キミに何されようと
 気にしないさ、キミが僕が見てるすべてだから
 気にしないさ。。。」


と、ここで声を震え出させて一旦歌が止まる。


一瞬笑いが起こるが、嗚咽にまみれながら「キミが自分にはこの世のすべて」と続けようとするカヴァの姿に、状況がわかった観客は無論温かい拍手で彼を包み込もうとする。カヴァも胸いっぱいで立ち直れず続けようと必死。「太陽が沈んで。。。冷たい夜になろうとも。。。僕はいつもいるよ」、そしてわれらが「キミを肩越しに見てるから」で助けを出す。もう俺だって半べそだよ(号泣)。
バンドに助けられて何とか我を取り戻して曲を終えると「ドモアリガト」と礼。


間髪入れず続けた"Guilty"も、どっちかというと肩の力が抜けたリラックスな状態で歌ってたユニークなテイクとなった。終わってやっとここでカヴァが"Emotional, Last Night Tokyo!"トホホと泣く真似をしたかと思ったらガハハと笑ってさっきの取り乱しを取り繕おうとする(微笑)。ここでディープ・パープルから数えて40年間、常にサポートし続けてくれたことを感謝して"Forevermore"へ。また真摯に魂を込めて歌う姿に戻る。


残る必殺3曲もいつもの狂熱を誘うというよりは、満席のここに集いし「仲間たち」の胸を借りながら、常になごやかなムードの中で進んでいったと言ってもいいんじゃないかな。そのせいか俺は少々歌い足りない気がしたw これは明日のリヴェンジに取っておこう♪


全3日間の東京での思い出と観客のホスピタリティに対して、ここしばらく訊けなかったような長い最大級の感謝でショウの幕は〆められた。


(写真協力;にゃをちん&やっさん)


Setlists

SE: My Generation

Give Me All Your Love
Ready an' Willing
Can You Hear the Wind Blow - Don't Break My Heart Again
Is This Love
Gambler (Dedicate to Mel, Cozy and Jon)
Love Will Set You Free
Guitar Duel
Harmonica solo - Steal Your Heart Away - Drum Solo
Ain't No Love in the Heart of the City (Acoustic) - Soldier of Fortune
The Deeper the Love (Acoustic)
Guilty of Love (Acoustic)
Forevermore
Hit an Run - Fool for Your Loving
Here I Go Again

Encore
Still of the Night

Outro: We Wish You Well
SE: Always Look on the Bright side of Life

 


 


カヴァの琴線に触れたものは何だったのか?
個人的には"Soldier of Fortune"がその歌詞の内容を考えてブレイクポイントだったんじゃないかと思うんだが、それは観た人そろぞれに委ねたいと思う。この日がホワイトスネイク、カヴァを観る、最後の日となろうとも悔いはない。俺はホントそう思った。


「メイド・イン・ジャパン」のオーヴァ・ダブに関して、俺は辛辣な意見を述べたと同時に、本ツアーで観れるカヴァが真実の姿であるとも断言した。


そして、この日観れたものこそ、自信と誇りを持って次のように言える。


以前ほど歌えなくなったとかボロクソ言われながらも、一度客の前で最前線に立ったら、決して引くことなく自分をさらけ出すことをも恐れずに、歌とともに自分の人生突き進んでいることを見せつけることができる、それがデイヴィッド・カヴァデールという男の真の姿であると。25年間、俺がその肩越しに見続けてきた、もっとも人間らしい男だ、と。